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激戦地アウディーイウカで、ロシアが「肉の嵐」作戦を実施...強烈な「反撃」を受けて敗走する様子を公開

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月17日 17時58分

アウディーイウカ近辺で戦うウクライナ軍(2023年5月31日) Viacheslav Ratynskyi-Reuters

<ドネツク州アウディーイウカ付近でロシア軍が仕掛けた「ミートストーム」進軍作戦だが、数時間でウクライナ軍に撃退された>

ウクライナ東部ドネツク州では現在、同州の玄関口と言われているアウディーイウカ付近で戦闘が激化しており、ロシア軍は同地域を占領しようと攻勢を強めている状況だ。そうしたなかでロシア軍は今月、「ミートストーム(肉の嵐)」なる作戦を実施。しかしウクライナ軍に撃退されて作戦は失敗し、この様子を捉えた映像がウクライナの部隊によって公開された。

■【動画】激戦地アウディーイウカで、ロシアが「肉の嵐」作戦を実施...強烈な「反撃」を受けて敗走する様子

ウクライナ地上軍の第58自動車化部隊は11月13日に投稿した映像について、夜明けに進撃を開始したロシア軍が、数時間で「恥辱のうちに」退散していった場面だと説明した。同部隊は、2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、ウクライナ東部ドネツク州で活動している。

10月10日以来、ロシアはアウディーイウカを占領するため、戦車や装甲車に加え、数千人規模の軍隊を投入している。しかし、ロシア軍は兵力と装備の両方で大きな損失を被っていると報じられている。そのためロシアは、アウディーイウカでの新たな攻撃のために、約4万人の兵力を集めているとされる。

ウクライナ軍第58自動車化部隊は、「全員が脱出できたわけではなく、戦場には約50人の侵略者の死体が残された」と説明。「占領者を排除し、(部隊は)最大の成功を収めた」と述べている。

黒焦げになった車両の残骸に、炎に包まれた兵士

ドローンで撮影されたこの映像には、音楽もつけられており、ウクライナ軍が複数のロシア軍の戦車や装甲車に発砲し、煙が上がっているように見える。黒焦げになった車両の残骸や、炎に包まれながら這って逃げようとする兵士の姿も映っている。

本誌は、この映像がいつ撮影されたのかを独自に確認することができず、ロシア国防省にメールでコメントを求めている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、アウディーイウカ周辺の状況について、「特に厳しい」と表現した。

ウクライナ軍のアントン・コツコン報道官は11月9日、ロシアはアウディーイウカを奪還するために新たな準備を進めていると述べた。「ロシアは約4万人の兵士を投入している」とコツコンは述べ、「ロシア軍がアウディーイウカ包囲計画を中止する兆候は見られない」との見解を示した。

「ロシアは成果を挙げていない」米シンクタンク

コツコンによれば、ロシア軍は同地を三方から包囲し、追いつ追われつしながら、ウクライナ軍の防衛体制を分析するために大量のドローンを送り込んでいるという。

米シンクタンクの戦争研究所は、ロシア軍はアウディーイウカ近郊での計画的かつ大規模な攻撃作戦に、さらに多くの兵士と軍備を投入していると指摘している。同シンクタンクは11月12日、ウクライナ情勢に関する最新の分析を発表し、ロシア軍はアウディーイウカ周辺での攻撃作戦を継続しているが、いかなる成果も得られていないとした。

一方、ウクライナ参謀本部は、ウクライナ軍が同地でのロシア軍の攻撃を18回以上撃退したと発表した。戦争研究所は、ウクライナ軍がアウディーイウカ周辺で最近反撃に成功し、わずかな成果を挙げたと報告している。



イザベル・ファン・ブリューゲン

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