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学校の宿題が多い日本と少ないフランス......教育にはどちらがいいのか?

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月22日 12時0分

対局の左下にあるのは、宿題に重きが置かれない国だ。フランスはこの典型で、自由の国・オランダも近辺にある。韓国もこのタイプで、他のアジア諸国と隔たっているのは意外だ。超受験社会で、早いうちから塾通いなどをする子が多いためか。右上は大きな課題を少数出す国で、イタリアが該当する。

宿題が多い国があれば、そうでない国もある。それぞれのお国柄の所産で、どちらがいい・悪いという話ではない。

長期休暇中の宿題など子どもの才能の芽を摘む足かせで、夏休みくらいやりたいことをうんとやらせればいいのではないか。ユーチューバーを志す子がいるなら、思う存分動画を作らせればいい。理想と現実のギャップを知る機会にもなる。こういう考えもあるだろう。

一方で、夏休みの宿題は大きな仕事をコツコツ計画的に成し遂げることを体験させる「隠れたカリキュラム」でもあり、それを取り上げるのは、子どもの成長を阻むことにもなる、という捉え方もあるだろう。

極端な結論は出さず、地域や学校の実情に応じてグラデーションをつければいい。だが最近流行っている宿題代行業は感心できない。子どもを受験に集中させたい親から依頼を受けてやっていることだが、ズルをしてもいいのだと子どもに教え込むことになってしまう。宿題は学習指導要領で定められたことではないので、取り締まりのしようがないのだが、文科省もよくは思っていない。

現在は「代行」の時代だが、許される代行もあればそうでない代行もある。この区別はつけておきたいものだ。

<資料:IEA「TIMSS 2019」>

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舞田敏彦(教育社会学者)


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