日本の欧米信仰の罪深さ...中東で戦争が起きている今こそ、日本にしかできないこととは?
ニューズウィーク日本版 / 2023年11月25日 19時21分
覇権主義や自国第一主義ではなく...
私は日本に来て、日本人の欧米信仰の強さに驚いた。アメリカの同盟国であることは知っていたが、政府から国民まで、欧米が一番素晴らしくて正しいと信じているように見えたのだ。だが、来日するまで私もそうだったように、中東の人々は日本に欧米追従とは異なるイメージを持っている。
日本は原子爆弾を落とされた唯一の国で、それにもかかわらず焼け野原から復活して世界第2位の経済大国になり、戦争で負けたアメリカの不動産を買っては話題になった。アジアの端の小国なのにメイド・イン・ジャパンで世界の市場を制覇して、それでも他国に侵攻したりしない、実直で裏表のない、感じの良い国である。その姿は、中東やアジアの国にとっては憧れであり、お手本でもある。その力をもってすれば、欧米とは異なる平和主義を外交の場で広めていけるのだから、もっと頑張ってほしいと思ってきた。
今回のイスラエルとハマスの問題は、日本人にとって新たな視点で中東問題を見直す機会になったのではないだろうか。SNSによってあらゆる現場や戦場から映像が流れ、世界中の人々に今まで見えなかったものが見えている。理想や美しい言葉の裏にある、自国第一主義や覇権主義もはっきり分かってしまう。
この時代にこそ、平和主義を掲げる日本にしか持ち得ない影響力を国連などで発揮してほしい。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」 Twitter:@IshinoShahran
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