意外な国が漁夫の利...ガザ戦争後の「勝ち組」国家、「負け組」国家は?【アニメで解説】
ニューズウィーク日本版 / 2023年11月27日 16時35分
ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長とジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表の間にも深刻な亀裂が生じている。
西側諸国は最悪の事態に直面しつつあるが、ロシアと中国にとっては願ってもない展開だ。
ガザ戦争は、アメリカの一極支配よりも多極的な世界秩序のほうが好ましい、という中ロ両国の長年の主張に一定の論拠を与えかねない。中ロのメディアはこれを好機にアメリカ批判を強め、国際社会での支持を広げている。
グローバルサウスと呼ばれる新興・途上諸国では、欧米のダブルスタンダードに対する反発も強まっている。パレスチナの人々への共感はもともと欧米以外の国々のほうがはるかに強く、ハマスに対するイスラエル軍の桁違いな報復で溝はさらに深まった。
北大西洋両岸の快適な地域に属さない国々から見れば、欧米の関心はあまりに身勝手で恣意的だ。欧米のメディアは中東での新たな戦争ばかりを取り上げ、政治家もせっせと自らの見解を述べている。
(ガザ戦争が始まったのと同じ)10月に出た国連の報告書に、コンゴ民主共和国には現時点で約700万の国内避難民がいるとあった事実についてはほとんど触れられていない。
今回のことでグローバルサウスの国々が一斉に反米に転じるわけではないが、人権だの法の支配だのといった西側の議論に、彼らは耳を貸さなくなるかもしれない。中国とアメリカをてんびんにかけて、様子を見る国も今より増えるだろう。
■詳しくは動画をご覧ください。
※この動画は「ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」」に基づいています。
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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