バミューダトライアングルに「興味あったわけじゃない」が、予想外の大発見をしてしまった男の手記
ニューズウィーク日本版 / 2023年12月1日 20時10分
バーネット(写真・中央) ©2023 A&E TELEVISION NETWORKS. ALL RIGHTS RESERVED.
この海域で消息を絶った船や航空機は多く、それだけに世間の関心が高い。実際に、1925年に忽然と消えた蒸気船コトパクシや50年に消息を絶ったコスタリカの貨物船サンドラなどを発見した。
発見すれば消息を絶った理由を合理的に説明でき、本当はこの海域に「怪現象」などないことを伝えられる。これらはヒューマンストーリーだ。嵐で船が沈み、航空機が遭難すれば、失われる命がある。
私がバミューダ・トライアングルの伝説を利用するのは、世間の目を引き、こうした歴史の一端を伝えるため。それだけで十分にドラマチックで、呪われた海域やら時空のゆがみやら、UFO(未確認飛行物体)やらに頼る必要はないと明らかにするためだ。
私たちが伝える嵐や火災や人為的ミスや管理不十分にまつわる物語は、全て海での悲劇につながる。私たちは遭難事故のベールを剝ぎ、超自然的な要素はないと証明する。
■【動画】バミューダ・トライアングルでの予想外の大発見
シーズン1では予想外の大発見をした。スペースシャトル「チャレンジャー」の全長約6メートルの残骸だ。バミューダ・トライアングルの外で別の航空機を捜索中に見つけた。
私たちは86年のチャレンジャー爆発事故の際のNASAのデータを活用した。当時NASAはチャレンジャーの機体と固体燃料補助ロケットの残骸を全て回収するべく、この海域をくまなく捜索。その過程で海域の地形を把握し、輸送コンテナを見つけ、複数の航空機にも言及していた。
私たちはこの航空機らしき物体を捜索し、あらゆる可能性を消去している最中に、チャレンジャーの残骸に出くわした。非常にショックだった。
私はこれまで何百もの船を捜索してきた。どんなに歴史ある船でも、自分が生まれる何世紀も前のものならピンとこないかもしれない。
限られた時間と資金で
だがチャレンジャーの事故は鮮明に覚えている。当時、私は高校生で打ち上げと事故の一部始終をテレビ中継で見守っていた。その残骸となれば間違いなくこれまでの人生で最も予想外の発見であり、最大の発見かもしれない。
沈没船を発見してその歴史を明らかにしたら、心は早くも次のプロジェクトに向かっている。海底では今も、消息を絶った無数の船が発見される日を待っているのだ。
沈没船の残骸から人工物を回収することも多い。歴史的重要性を損なうとの批判もあるが、船名の確証を得るにはそれが最も手っ取り早いからだ。自分が捜索している船の歴史的重要性については十分自覚している。
だが自腹で潜ることも多く、時間も資金も限られている。そこで回収品を考古学者や歴史家に見せ、船の位置を教えて、詳しい調査は彼らに任せる。そうやって数多くの沈没船や遭難機を発見してきた。
その1つがカナダの商船クイーン・オブ・ナッソー。カナダ政府の巡視船として建造され、第1次大戦では海軍の旗艦となった歴史ある船だ。
シーズン3では、現在捜索中の船を紹介することになるかもしれない。船名はまだ公表しないでおこう。誰かに横取りされたり先を越されたりしては困るから。
マイク・バーネット(海洋生物学者、探検家)
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