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K-POP最大の授賞式MAMAはなぜ「日本で開催」された? 国と世代の壁を打ち破った「ENDLESS RAIN」

ニューズウィーク日本版 / 2023年12月13日 18時7分

極め付きは、全出演者と観客との合唱......まさに、国境、人種、世代を越え音楽で一つになる「Music MaKes ONE」というMAMAの理念を体現した最高の舞台だった。

YOSHIKI ©CJ ENM CO., LTD, ALL RIGHTS RESERVED

ジェヒョン ©CJ ENM CO., LTD, ALL RIGHTS RESERVED

アントン ©CJ ENM CO., LTD, ALL RIGHTS RESERVED

「宇宙一素晴らしいコラボレーション」という声は決して誇張ではない。真のコラボはただのカラオケと違って、「挑戦と革新」を通じて音楽に新たな生命を吹き込む。

ハン・ユジンが舞った ©CJ ENM CO., LTD, ALL RIGHTS RESERVED

かつて韓国で「Jポップ伝道師」の役を務めた筆者にとっても特別な意味があった。日本文化開放前の韓国でJポップを聞くことはいわば反民族行為とみなされたが、一部の若者は「隠れキリシタン」のようにひそかに熱心に聴いていた。そこに圧倒的ビジュアルのX JAPANが登場し、韓国人が大好きなロックバラードで若者の心をわしづかみにしカリスマ的存在になった。

その代表曲が「ENDLESS RAIN」だったのだ。「本物」の前にナショナルな壁は意味を成さない。X JAPANによって日本文化に対する認識も変化し、その後の「日流」現象の契機の1つとなったと筆者は考える。

その意味で、今回のコラボは日韓関係史上に残る「日韓和解のドラマ」だった。Kポップがグローバルに展開する理由は、惜しげもなくYouTubeでハイライトを配信すること。となれば、この歴史に残る名シーンを見逃す手はない。

以上、少しは娘さんとの理解につながっただろうか。いずれにせよ、「韓国だらけ」と感じる人にとっては辛い年末になることだろう。でも大丈夫、テレビ東京の『年忘れにっぽんの歌』がある! あ、すみません、そこにはKポップは出なくても「在日コリアン」がいるかも......。



権容奭(クォン・ヨンソク、一橋大学大学院准教授)


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