いったい何事!? ロシアで極超音速ミサイルの科学者10数人が相次ぎ粛清──病床から引きずり出され「FSBに殺された」の声も
ニューズウィーク日本版 / 2023年12月19日 17時37分
ノボシビルスクの報道機関は、マスロフは国家機密を中国に提供した疑いがかけられていると報じた。
2022年6月には、物理学者のドミトリー・コルカー(54)が国家反逆罪の疑いでシベリアで逮捕された。コルカーはすい臓がんを患っていたにもかかわらずモスクワに移動させられ、逮捕から2日後に死亡した。
息子のマクシム・コルカーは当時、ロシアのソーシャルメディア「フコンタクテ」に「ロシア連邦保安局(FSB)が父を殺した」と投稿。「彼らは父がどのような状態かを十分に認識していながら、病院から引きずり出した。家族に別れを告げることさえ許さなかった。ノボシビルスクの判事であるモロゾフ捜査官、そしてロシアの国家機構全体が責任を問われるべきだ」と書き込んだ。「彼らはたった2日で一人の人を殺した。私たち家族は父親を失った」
さらに9月には、ロシアの市民セルゲイ・カバノフが、アメリカにミサイル技術を密輸したとして国家反逆罪で有罪となった。
ロシアの独立系通信社インタファックスが伝えたFSBの説明によれば、カバノフは「ロシア軍のミサイル技術に使用されている製品を米国防総省の管理下にある米企業ビクトリー・プロキュアメント・サービス(アラバマ州ハンツビル)に送った」疑いで捜査を受け、禁錮12年半の判決を受けた。声明の中でFSBは、カバノフは米情報機関の指示に従い、「ロシアの軍事製品をアメリカに供給する密輸ルート」を組織したと主張している。
本誌はこの件について、9月にビジネス向けソーシャルメディア「リンクトイン」を通じてビクトリー・プロキュアメント・サービスのブレイク・ミッチェル社長兼CEOにコメントを求めたが、返答はなかった。
イザベル・ファン・ブリューゲン
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
北朝鮮の弾道ミサイルにロシアの影 極超音速の多弾頭化は前例なく、技術流入に懸念 26日の発射は失敗の見方も…北は実験「成功」
zakzak by夕刊フジ / 2024年6月27日 14時50分
-
北朝鮮、多弾頭ミサイル開発目的の重要実験に成功=国営通信
ロイター / 2024年6月27日 7時54分
-
ロシア前国防相らに逮捕状 国際刑事裁が戦争犯罪容疑
共同通信 / 2024年6月25日 22時9分
-
中国が欧米パイロットを引き抜き、ファイブアイズが警告
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月10日 13時0分
-
ロシア、仏国籍の学者拘束 軍事情報収集の疑い
ロイター / 2024年6月7日 12時58分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください