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娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

ニューズウィーク日本版 / 2023年12月23日 19時26分

「10月7日早朝、6時から6時半ごろだったと思いますが、私たちの家はイスラエル南部のベエルシェバにあるのですが、朝、早朝からロケット弾の攻撃を知らせるサイレンが鳴っていて、妻には誤報じゃないかと言って安心させようとした。ところがサイレンがなかなか止まないので、自宅にあるセーフルーム(シェルター)に妻と一緒に入ることにした。そこで娘の部屋をのぞいてみると、娘とパートナー(ボーイフレンド)がいないことに気がついた」

父親のヤコフさんが共有してくれたノアさんの写真

「さらに、救急車の音もけたたましくなっていたので、何か非常事態が起きたと思い、地域の病院に行くと言って家を出ました。病院では大勢が運ばれてきていました。看護師の方に声をかけ、娘と、ボーイフレンドのアヴィナタンの名前がないかを確認してもらったが、負傷者の中に名前は見つからなかった。また別のアシュケロンというイスラエル南部の街の病院にも確認してもらったが、名前はありませんでした」

「その間にも、娘とパートナーに電話はしていましたが、繋がりませんでした。ただ友人たちから連絡は取れていたと聞き、だからこそ病院に探しに行ったのです。病院で2時間ほどして、妻から電話があり、娘のルームメイトに連絡するよう伝えられました。そこで電話をしてみると、娘がバイクに乗せられてガザの方面に連れて行かれる動画を今見たと告げられました」

「怯えた娘の動画を見るのは父親として非常に辛いことです。私は病院で、そのまま気を失ってしまったようで、電話が壊れてしまいましたが、病院だったので対処をしてもらい大事には至りませんでした」

死亡が確認された拉致の被害者も

「ガザにも人間の心を持った人がいると思います。対話を望んでいる人がいると思っています」

ノアさんの父親ヤコフさんへのインタビューの全編は、以下のYouTube動画「【独占】娘をハマスにさらわれた家族インタビュー」でぜひご覧いただきたい。テロや誘拐事件というものは、宗教問題であっても、領土問題であっても、正当化することはできない。



また今回来日した家族の中には、日本滞在中にガザで死亡が確認された人もいる。ハマスに誘拐されたエデン・ゼカリヤ(28)さんだ。ゼカリヤさんも、レイム音楽祭に参加していて、拉致された。イスラエル軍の特別部隊が、遺体を回収して身元調査を行い、本人だと確認された。日本にはゼカリヤさんの叔父が訪問していた。

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