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追悼式典での爆破テロに「報復」を誓うイラン、戦火は中東で拡大か

ニューズウィーク日本版 / 2024年1月10日 20時23分

10月7日のハマスの奇襲でイスラエル軍がガザへの攻撃を開始して以来、イランはパレスチナ側に付き、イスラエルに直ちにガザ侵攻を中止するよう求めてきた。

爆発が起きた直後の現場(ケルマン、1月3日) WANAーREUTERS

イスラエルは長年、敵陣や敵国内に潜入して秘密工作を行うことで知られてきた。

イランの核開発に関わった軍の高官や科学者の暗殺、さらには開発に必要な装置の破壊などは、イスラエルの情報機関の工作員やその協力者の仕業とみられている。

さらにイランは長年にわたり、ISやイランの反体制組織ムジャヒディン・ハルク(イスラム人民戦士機構、MKO)、アラブ系やクルド系をはじめとするさまざまな分離独立派武装勢力など、非国家主体による激しい攻撃にさらされてきた。

MKOのシャヒン・ゴバディ報道官は本誌に、同組織は「ケルマンで今回のような行為はしていない」と答えた。

イランの最高指導者アリ・ハメネイは、X(旧ツイッター)の公式アカウントで今回の攻撃を激しく非難している。

「イラン国家の邪悪で不道徳な敵が再び悲劇を引き起こし、ケルマンの殉教者の墓のかぐわしい雰囲気の中で、私たちの親愛なる多くの人々を殉教させた」

「冷酷な罪人らは、偉大な司令官であった殉教者ガセム・ソレイマニの墓を訪れた人々の愛と愛情を目の当たりにして我慢ならなかった」

ハメネイは、今回の攻撃の背後にいる人々に「痛烈な打撃と相応の報復を与える」とも述べている。

「アメリカを地域から追放」

2020年1月に暗殺された当時、ソレイマニはイランで最も有名な軍人であり、20年にわたり地域内外の関係者と複雑な協力関係を築いていた。

イランが支援する中東各地の武装組織のネットワーク「抵抗の枢軸」のメンバーは長年、アメリカとイスラエル、サウジアラビアなどイスラム教スンニ派君主国、アルカイダやISなどイスラム過激派組織に関連する標的を狙ってきた。

19年にはイラクの民兵組織と米軍が一触即発の状態となり、両国の緊張が高まるなかで、ドナルド・トランプ米大統領(当時)はソレイマニの殺害を命じた。

イランは直ちに隣国イラクの米軍の拠点に弾道ミサイルを浴びせ、アメリカを地域から追放すると誓った。

そして今、ジョー・バイデン米大統領はガザの戦闘でイスラエルを支持し、米軍はイラクとシリアで再びロケット弾やドローン(無人機)の攻撃を受けている。

一方、イエメンの親イラン武装組織「フーシ派」は昨年11月以降、イスラエルに関係があるとする商船をイエメン近海で相次いで攻撃。

イスラエル南部に向けてミサイルやドローンも発射し、新たに結成されたアメリカ主導の海上連合を挑発し続けている。

米国務省のマシュー・ミラー報道官は1月3日の記者会見でケルマンの爆破事件について、米当局は「報道を注視している」が「独自に提供できる情報は持っていない」と述べた。

ミラーはさらに、アメリカとイスラエルは事件と関係がないことを強調した。

「第1に、アメリカは一切関与しておらず、それに反するいかなる示唆もばかげている。第2に、イスラエルがこの爆発に関与していると信じるいかなる根拠もない」

トム・オコナー(外交問題担当)


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