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連行される動画が拡散...米ラッパー、グラミー賞「大喜びスピーチ」直後の逮捕に「何もそのタイミングで...」とネット同情

ニューズウィーク日本版 / 2024年2月7日 21時55分

キラー・マイク(2017年2月、米オークランド) Sterling Munksgard-Shutterstock

<グラミー賞でラップ部門の栄冠を手にしたキラー・マイクが、授賞式会場で手錠をかけられ連行される映像が公開された。2年前のアカデミー賞授賞式でビンタ事件を起こしながら逮捕されなかったウィル・スミスを引き合いに出すネットユーザーも>

4日に米ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで開催された音楽の祭典グラミー賞授賞式で、3冠を達成したラッパーのキラー・マイクが、受賞後に手錠をかけられ、会場から連行される姿がネットで拡散され、衝撃が広がっている。

【動画】授賞スピーチで喜びを爆発させる姿と、「後ろ手に手錠」で大勢の警官に連行される姿

グラミー賞授賞式のテレビ中継前に発表されるプレミア・セレモニーで、ラップ部門のアルバム賞や楽曲賞など3部門を受賞したキラーが、複数の警察官に囲まれ後ろ手に手錠をかけられて会場内を歩く動画をハリウッド・レポーター誌のクリス・ガードナー記者がX(旧ツイッター)に投稿。

1万回以上リポストされるなど話題を呼び、2年前のアカデミー賞授賞式でビンタ事件を起こしながら逮捕されることなく主演男優賞を受賞して物議を醸したウィル・スミスに再び脚光が集まるなど逮捕の是非を巡る論議が巻き起こっている。

ロサンゼルス市警察は、口論による暴行に関連してキラーの身柄を拘束したことを認め、軽罪で逮捕・起訴したと発表。口論や暴行に関する詳細は明らかにしていないが、会場入りする際に進路を遮った警備員を殴り倒した容疑が持たれていると一部メディアは伝えている。

喜び爆発からのすぐさま逮捕に同情の声も

トラヴィス・スコットやドレイクら大物のライバルを制し、2003年以来21年ぶりとなるグラミー賞を受賞したキラーは、「年を取りすぎた、もう遅い、夢は叶わないとは言わせない」とスピーチして喜びを爆発させていた。その直後に急転直下で逮捕されたことに、ネットでは「狙ったようなタイミング」「そのタイミングで逮捕しなくてもいいのに」「最悪だ」と同情の声が寄せられている。

また、一部ユーザーからは「犯行の瞬間の映像がないキラーは逮捕されたのに、なぜ生放送中に暴力を振るったウィル・スミスは逮捕されなかったのだろう」と疑問の声も上がり、妻の容姿をジョークのネタにされたことに激高したウィルが、ステージに乱入してプレゼンテーターを務めたクリス・ロックを平手打ちした後も会場にとどまり、主演男優賞を受賞してスピーチした事件が蒸し返されている。

キラーは翌5日、心配するファンや関係者に謝罪する声明を発表。「どこから中に入ればいいのか混乱があり、熱心すぎる警備員と遭遇した」と説明。一方で、報道されているような暴力行為はなかったと否定し、「身の潔白が証明されることをチームと私は確信している」と述べている。

[筆者]
千歳香奈子
北海道・札幌市出身。1992年に渡米し、カリフォルニア州サンタモニカ大学で写真を学ぶ。96年アトランタ五輪の取材アシスタントとして日刊スポーツ新聞社アトランタ支局に勤務。ロサンゼルス支局、東京本社勤務を経て99年よりロサンゼルスを拠点にハリウッドスターら著名人へのインタビューや映画、エンターテイメント情報等を取材、執筆している。日刊スポーツ新聞のサイトにてハリウッド情報や西海岸のトレンドを発信するコラムも寄稿中。著書に『ハリウッド・セレブ』(学研新書)。



千歳香奈子

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