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なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...新しい「無毛」の歴史

ニューズウィーク日本版 / 2024年2月11日 8時50分

「ボディヘアに関する私たちの考えは、社会や文化によって形成されています。全部剃り落とすのか、それとも自然体でいるのか。あなたの体はそのままで美しいのです」

「毛深いことで謝るのはやめましょう」

「人々がどう思おうとも、私自身でいることが快適です」

実際にかつて女性の体毛は今ほど眉をひそめられていたわけではない。わき毛や脚の毛が服から見えたことは普通であり、ヒッピー文化が栄えた1960年代は体毛の除去を拒否し、カミソリを使わないことがフェミニズムの象徴として「かっこいい」とされた時代もあった。

1978年、パティ・スミスの「Easter」

45 years ago today, The Patti Smith Group released Easter, their commercial breakthrough, thanks to"Because the Night" - co-written by Bruce Springsteen and Smith - which reached #13 on the Billboard Hot 100 and #5 on the UK Singles Chart. pic.twitter.com/YIyxmuapX8— Eric Alper (@ThatEricAlper) March 3, 2023

  

歌手のパティ・スミスも1978年の発表したアルバム「Easter(イースター)」のジャケットでわき毛を見せたポーズを取っている。それが雑誌や広告、映画やドラマ、そして現在ではSNSをとおして、女性の「無毛状態」が社会に次第に定着していったのだ。

体毛が男性であれば「魅力的かつ男性的である」とさえされているのに女性はなぜそうはならないのか。「ジャニュヘアリー運動」とは「作られた社会規範」への疑問と問題提起なのだ。

実は体毛を剃らないことの利点もある。汚れや異物から体を守るだけでなく、体温調節の役割もある。何よりも剃ることによって肌を傷つけたり、乾燥の原因を防げる。

衛生面だけでなく肌にも優しい体毛を、そもそもなぜ私たちは剃っているのか。そして、なぜ女性だけが剃るのかという疑問はジェンダー問題に関心がなくとも沸いてくるだろう。

多くのセレブたちがこぞってシースルードレスを着用して乳首を披露することについてはかなり認知されてきたが、「ボディヘア」は今後どうなるのか?

流行をつくるモデルやセレブの動向を無視できないのも事実であるが、「ジャニュヘアリー運動」を立ち上げた1人の大学生に共鳴する、世界中の多くの女性たちの存在も無視できない。

「ジャニュヘアリー運動(Januhairy)」のイラストレーション

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