1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

なぜ閉鎖国家・北朝鮮から世界一危険なハッカー集団「ラザルス」が誕生したのか?

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月6日 11時10分

例えば、北朝鮮問題を研究する米シンクタンクの担当者のもとに、日本の通信社の記者を名乗る偽の質問メールが届いたと、2022年12月にロイター通信が報じた。私が取材で手に入れたメールには、実在する特派員の署名があり、質問内容もこなれていた。

北朝鮮ハッカーによる西側諸国の北朝鮮政策に関する情報収集の一環とみられている。

北朝鮮ハッカーは2017年ごろから暗号資産交換所へのハッキングを始めるようになる。この年末から翌年初めにかけて価値が急騰するバブル状態だった。暗号資産の価値にいち早く目をつけていたことになる。

新たなテクノロジーによる社会のデジタル化は一方で、サイバーテロにつながる様々な弱点を生み出す。北朝鮮ハッカーはそこに「蟻の一穴」を見つけ出し、リアル社会の犯罪ネットワークなどと連携しながら、サイバー攻撃を成功させている。

本書のプロローグにはこうある。

「北朝鮮が関係するとされるサイバー攻撃を知ることは、現代の犯罪世界を理解することでもある」

須藤龍也(Tatsuya Sudo)
1994年に朝日新聞社に技術職で入社。新聞制作システムの開発や運用に従事した後、99年に記者職に転向。東京本社社会部などを経て2015年から現職。LINEの情報が中国や韓国からアクセスできる状態にあった問題をスクープし、2021年度の日本新聞協会賞を受賞。このほか三菱電機へのサイバー攻撃(2020年)、神奈川県庁のHDD流出・転売事件(2019年)なども特報した。

 『ラザルス:世界最強の北朝鮮ハッカー・グループ』
  ジェフ・ホワイト[著]/秋山 勝[訳]
  草思社[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください