「衝撃的に劣悪」な性能...北朝鮮ミサイル、ウクライナでの「大失態」でロシアが調達キャンセルの情報
ニューズウィーク日本版 / 2024年2月29日 18時9分
<ロシアがウクライナの首都キーウなどに北朝鮮製「火星-11ナ」ミサイルを発射したものの、標的を大きく外れた地に着弾したという>
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は25日、ロシアがウクライナに対して使用している北朝鮮製ミサイルは「衝撃的」なほど性能が劣悪であるとする、韓国の軍事専門家、イ・イルウ自主国防ネットワーク事務局長のインタビューを掲載した。
ウクライナ当局は、ロシアが自国に向け発射したミサイルの残骸を分析し、北朝鮮製の短距離弾道ミサイル「火星-11ナ」(KN-23)が使用されたと断定している。同ミサイルは、ロシア製「イスカンデル」の北朝鮮版として知られ、変則軌道を飛行することから迎撃が困難である可能性が指摘されてきた。
【写真】「ここまで落ちぶれた」...プーチンが見せた、金正恩に「すり寄る」弱々しい姿に専門家も驚き
イ事務局長は米国家安全保障会議(NSC)の資料を引用し、同ミサイルは昨年12月29日、ザポリージャ方面に対して初めて発射されたが撃墜され、1月2日と2月5日に東部の大都市ハルキウ、2月15日に首都キーウにそれぞれ1発が発射され、地面に着弾したことが確認されていると述べた。
5キロ以上離れた廃墟に着弾したNK-23ミサイル
同氏によれば、「まず1月2日の『火星-11ナ』はハルキウ市内に向けて発射されましたが、目標物と推定されていた工場建物の代わりに、アパートとアパートの間の広い空き地に落ちました。 2月5日、同じくハルキウ市内に発射された火星-11ナは、市内ではなく市内から5キロ以上離れた郊外農村の廃墟の建物に落ちた」という。
また、「2月15日にキーウに向けて発射された『火星-11ナ』もやはり都心ではなく北部の山林地帯に落ちて巨大なクレーターを作りました。弾着が確認された3発のうち2発がキロ単位の誤差が出たということは、事実上、目の見えないミサイルだという話ですが、これは最悪の命中率を嘲笑された旧ソ連の初期型スカッドミサイルにも劣る水準」だとしている。
(参考記事:【目撃談】北朝鮮ミサイル工場「1000人死亡」爆発事故の阿鼻叫喚)
ロシアはイランから大量のミサイルを輸入
同氏は北朝鮮製ミサイルがこうした劣悪な性能を見せた原因について、姿勢制御システムの劣悪さや、目標への軌道を維持する電子工学原点照準システムの欠如、またウクライナ軍によるジャミング(電波妨害)の可能性を挙げた。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
北朝鮮の欠陥ノーコン弾道ミサイル、遂に首都を脅かす。打ち上げ失敗で「平壌の方に落下したようだ」と韓国軍
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月2日 17時11分
-
北朝鮮「超大型弾頭」実験と主張 月内に再びミサイル発射計画
共同通信 / 2024年7月2日 11時57分
-
北朝鮮、新型「重量級弾頭ミサイル」発射実験に成功と主張
デイリーNKジャパン / 2024年7月2日 11時54分
-
ロシア軍のミサイルを「機関銃」で撃墜!? “あわや着弾”ギリギリで回避 ウクライナ国防省が写真公開
乗りものニュース / 2024年7月2日 11時42分
-
北朝鮮、新型弾道ミサイル発射に成功と発表 超大型弾頭の搭載可能
ロイター / 2024年7月2日 9時6分
ランキング
-
1「慰安婦」強制連行説は「日韓離間工作の道具」 韓国で像撤去を求める朱玉順氏が批判
産経ニュース / 2024年7月20日 20時26分
-
2ロ侵攻、化学兵器使用と相互非難 国際機関「深刻な懸念」
共同通信 / 2024年7月20日 15時20分
-
3キリスト教「福音派」トランプ氏を熱狂的に支持するワケとは?
日テレNEWS NNN / 2024年7月20日 21時25分
-
4トランプ氏“暗殺未遂事件”で蔓延する“陰謀論”と“フェイク” 右派も左派も拡散の異常事態 深まる分断 米大統領選の行方は【報道特集】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月20日 21時30分
-
5トランプ氏銃撃、動機は不明 発生1週間、警備当局に批判も
共同通信 / 2024年7月20日 18時47分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)