1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

イスラエルだけの責任ではない「ガザ封鎖」...エジプトが直面する「ハマスのジレンマ」とは?

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月4日 12時25分

2011年1月のいわゆる「アラブの春」では、エジプト各地でムバラク政権打倒の運動や暴動が発生するなか、武装勢力が刑務所を襲撃し11カ所から2万人以上が脱獄、犯罪や暴力が激増し治安悪化が極限に達した。

複数の当局者が、襲撃犯はトンネルを通ってエジプトに侵入したハマスだと証言している。脱獄囚の中にはハマスと同胞団のメンバー数十人も含まれていた。

エジプトのシシ大統領が昨年10月18日、ガザ市民をエジプトに受け入れれば「シナイ半島がイスラエルへの抵抗の拠点になる」と述べたのは、それが現実的な脅威だからだ。

エジプトはハマスがシナイ半島に侵入し、そこを根城に同胞団残党と合流して強大化し、テロを繰り返し、体制を転覆させるシナリオを最も恐れている。

エジプトのシュクリ外相は2月17日、イスラエルを承認し交渉を望むというパレスチナの多数派の合意からハマスが外れていると批判し、資金援助する者はパレスチナ諸派の分断が目的だと苦言を呈した。ハマスの3大支援国はイラン、カタール、トルコで、いずれも同胞団支援国だ。

エジプトはパレスチナ国家建設を支持している。しかし自国の安全保障は何物にも代え難い。ガザ問題の複雑さを勘案せずにその咎(とが)をイスラエルだけに負わせても、現実的解決にはつながらない。

ガザとの国境に新たに壁を建設したエジプト

Egypt builds large cement wall at Gaza border, for aid 'logistics zone' officials say/The Telegraph

  

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください