トランプの再登板で世界はグリーンになる「不都合な真実」
ニューズウィーク日本版 / 2024年3月7日 19時17分
化石燃料は過渡期にあり、遠からず不要になると主張している。
バイデンの考えが正しくても(実際には誤りだが)意義ある気候変動対策とは言えない。
米政府が資金提供する大気研究センターの評価モデルを用いた予測では、アメリカが化石燃料使用を即時完全停止しても、地球の気温は2100年までに0.2度未満しか下がらない。
中国やインド、ロシア、アフリカ・中南米諸国が石炭利用を拡大しているからだ。
トランプ政権が再来すれば、天然ガス生産が促進される可能性が高い。欧州やアジアに向けた輸送体制の迅速化を促すことにもなりそうだ。
アメリカの天然ガス生産量は、今や新型コロナのパンデミック以前を上回り、昨年は過去最高の日量1037億5000万立方フィート(約29億立方メートル)に達した。
ただし、生産が行われているのは主に私有地だ。
バイデンが連邦政府所有地・水域のリース権を制限せず、パイプライン建設がより速く認可されていれば、生産量はさらに増えた可能性がある。
トランプはエネルギー計画として、認可制度改革や競争の公平化に向けたエネルギー源の多様化、天然ガス開発用地の拡大、バイデン政権の環境政策からの転換を掲げる。
バイデンと異なり、再生可能エネルギーへの移行を大義名分にして、パイプライン・LNG輸出基地建設を減速するよう指示することはないはずだ。
アメリカのLNG輸出量が増えるほど、世界のCO2排出量は減るだろう。
「トランプ大統領」の下ではインフラ建設許可が迅速化され、必要な場所にLNGが届くようになる。
地球環境にダメージを与え、アメリカの敵を利する破滅的な政策を覆すには、トランプの再登板が必要だ。
<本誌2024年3月12日号掲載>
ダイアナ・ファーチゴットロス(保守系シンクタンク米ヘリテージ財団エネルギー・気候・環境センター所長)
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