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「完璧に保存された」ローマ文明以前の古代の墓...発掘作業中に発見

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月6日 15時20分

(イラストはイメージです) klyaksun-Shutterstock

<イタリアでは昨年にも、2600年間手つかずだった古代エトルリアの墓が公開され、希少な工芸品が大量に見つかっていた>

「完璧に保存された」ローマ文明以前の古代の墓が、イタリアの遺跡で発見された。

【画像】「完璧に保存された」ローマ文明以前の古代の墓...発掘作業中に発見

南エトルリアとヴィテルボ県の考古学・美術・景観監督局がフェイスブックで発表したところによると、墓はサン・ジュリアーノにあるエトルリア文明のネクロポリスで発掘作業中に見つかった。サン・ジュリアーノはローマから約30キロ北西のバルバラーノ・ロマーノ市に位置する。

ネクロポリスは古代の巨大墓地で、紀元前7世紀ごろから同3世紀ごろ、岩をくり抜いて作られたエトルリア人の墓が数百基ある。

エトルリアは2000年以上前に現在のイタリアに存在していた古代文明。紀元前6世紀ごろに最盛期を迎え、続くローマ文明はエトルリア文明の特徴を数多く受け継いだ。

サン・ジュリアーノのネクロポリスで今回の発見があったのは、特に重要な墓を修復するプロジェクトの最中だった。

同プロジェクトでは、いわゆる「女王の墓(Tomba della Regina)」を中心として修復が進められている。この「壮大な」記念碑のような墓は紀元前5世紀にさかのぼり、幅約13.7メートル、高さはおよそ10メートル。上部のテラスにつながる階段と、1対の墓室につながる2つの入り口がある。

この墓の修復作業を行っていたところ、女王の墓の隣に、完全性において重要なもう1つの墓が現れた。監督局によると、岩をくり抜いて作った墓には3つの部屋があり、「完璧に保存されていた」。

今回の発見について専門家は、ネクロポリスに存在する紀元前5世紀から同4世紀の墓の多様性に改めて脚光を浴びせたと指摘する。

イタリアでは昨年にも、2600年間手つかずだった古代エトルリアの墓が公開され、希少な工芸品が大量に見つかっていた。

この墓は、イタリア中部ラツィオ州のモンタルト・ディ・カストロ市とカニーノ市の間に位置するヴルチ遺跡内にある。同遺跡ではエトルリアの都市の遺構が保存されている。

ヴルチは主に交易や鉱物の採掘、青銅器の製造によって紀元前6世紀から同4世紀ごろに栄えたエトルリアの主要都市だった。

それまで知られていなかったエトルリアのこの墓は、考古学チームが2023年4月にヴルチ遺跡のオステリアネクロポリスで発見し、10月に公開された。

(翻訳:鈴木聖子)

アリストス・ジョージャウ(科学担当)

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