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ロシアがついにHIMARS撃破でウクライナに動揺広がる

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月11日 18時50分

今回の損失は、ウクライナとアメリカおよびその同盟国にとって警鐘となるだろう。

「HIMARSがやられたということは、戦争はまだ続いているということだ。だから、われわれは警戒しなければならない」と、ウクライナ保安庁の元将校で、現在はウクライナ議会の国家安全保障・防衛・情報委員会の顧問を務めるイヴァン・ストゥパクは本誌に語った。

今回の攻撃は高高度対応ドローンの支援を受けて行われたようだ。

「これはひとつには、ロシア軍の能力を示すものだが、他方ではウクライナ側に高度なレーダーステーションがないことを示すものでもある」と、ストゥパクは語る。「また、地上部隊の安全を守るための対空システムも不足している」

 

「その証拠に、ときおり、ロシアの物体認識機能付きドローンがウクライナ領土の内側50キロ地点を飛行しているところを目撃することがある」と、彼は付け加えた。

ロシアの軍事アナリストでフレッチャー法律外交大学院客員研究員パベル・ルジンは、最も注目すべきは、ロシア軍が初めてHIMARSを破壊するまでに、非常に長い時間がかかったということだと語る。

「これほど長い間、HIMARSが無事だったことこそ興味深い。すばらしい成果だ。ロシアは同じ時期に何百基ものMLRS(多連装ロケットシステム)と何千発もの榴弾砲を失った」

「ロシア軍の運のなさが大きかったと思う」と、ルジンは付け加えた。「もちろん、ウクライナ人が創造性に富み、ロシア軍にとって貴重なものを破壊するためにはリスクも冒す、という長所もある」。

米国防総省はそれほど心配しないだろう、と、ルジンは示唆した。「それに、ウクライナ側もより強固にHIMARSを守る方法を学んでいる」


デービッド・ブレナン


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