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大統領選直前、プーチン陣営を揺さぶる ウクライナの猛攻──「ロシアは安定していない」

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月14日 17時51分

ドローン攻撃の標的のひとつは、ベルゴロドの政府庁舎だったようだ。同市の市長は後に、この攻撃で4人が死亡したと報告した。

アメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)は9日、ウクライナ軍が前夜ロシアのロストフ州でドローン攻撃を行ったという報告があり、長距離レーダー探知機A-50を改修する航空機工場を攻撃した可能性があると発表した。この攻撃の結果、A-50が2機破壊されたという。

ジョージ・メイソン大学シャール政策行政大学院のマーク・N・カッツ教授は本誌に「大統領選の結果に疑問はないが、ロシア領内へのこうした攻撃はロシア政府を狼狽させるに違いない」と語った。

「大統領選の投票率に影響があるかどうかはわからないが、影響があればロシア政府が数字を操作することは間違いない」と、カッツは言う。「何よりも、こうしたロシア領土への攻撃は、ウクライナ人の士気を上げるためのものだろう。ウクライナは今、ロシア軍が支配地域を広げている上、アメリカからの軍事支援は議会で止まっているという危機的状況にあるからだ」

 

スマートは、ウクライナによる越境攻撃も同様に、ロシア国民の戦争支持を低下させる一因になりうると述べた。

「ロシア人自身も、ウクライナから攻撃を受けるのはウクライナを侵攻したせいだということを認識している。ロシア軍兵士がウクライナを不法占拠することで精一杯のため、自分たちを守るどころではないことを憂慮しているはずだ」と、彼は述べた。

「ロシアの見せかけの『選挙』を数日後に控え、プーチンは民間軍事会社ワグネルグループのリーダー、エフゲニー・プリゴジンの反乱や、ウクライナ軍にロシア領内を攻撃されたときに匹敵する屈辱をまた味わった」と、スマートは言う。「ロシアは安定していない」



ジョン・ジャクソン


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