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ロシア軍の兵器庫は無尽蔵? 破壊し尽くせない物量の恐怖

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月25日 22時0分

失われた戦車の中には、ロシアで最も先進的で戦闘実績も高いT-90主力戦車数十両も含まれている。大々的に宣伝されていた次世代装甲戦闘車両「アルマータ」シリーズのT-14主力戦車の導入は長らく延期されていたが、開発にあたっていた国営の防衛コングロマリット、ロステックはコストの増大を理由に、今年初めに開発を断念した。

IISSの『軍事バランス2024』報告書によれば、ロシアには200両以上のT-90を含むさまざまなタイプの戦車が1750両ほど残っており、最大で4000両が保管されているという。

歴史的にロシアが「戦争の神」として重視している砲兵火力は、今も戦場で重要な役割を果たしている。ウクライナはこれまでの戦闘で1万70門以上を破壊したと主張しているが、
IISSによれば、ロシアはさまざまなタイプの砲を4397門保有している。

ロシア空軍の活躍

空中戦では、ロシアは戦争の初期段階で数的優位を行使することができなかった。ウクライナ空軍は現在も定期的に出撃している。対空兵器の支援を受けて増強し、国土の大半でロシア軍機の進入を防いでいる。

ウクライナは2022年2月以来、あらゆるタイプのロシア軍機347機を撃墜したと主張してする。オープンソースの情報サイト「オリックス」は、97機の撃墜と8機の損壊を確認したという。

それでも、ロシア空軍は東部戦線で極めて重要な戦果をあげており、航空機から投射する滑空爆弾を使ってアウディーイウカのような激戦地でウクライナの陣地を攻撃、破壊している。

ロシアは、ウクライナの都市やインフラ目標に向けて長距離ミサイルを発射するために、今もさまざまな航空機を使っている。開戦前に保有していた2300発の戦略ミサイルも、まだ約900発残っている。

IISSの報告によると、ロシア空軍は爆撃機129機、戦闘機188機、戦闘機/対地攻撃機433機、対地攻撃専用機257機を含む固定翼機約1169機を保有しており、さらに208機が海軍航空部隊に配属されている。また、空軍は約340機の攻撃ヘリコプターを保有している、と軍事バランス報告書は述べている。

ウクライナ軍が近代的な非対称的海上攻撃戦略に磨きをかけたため、ロシア軍の最も衝撃的な敗北のいくつかは海上で起きた。ロシアはいまだアメリカ、中国に次ぐ世界第3位の海軍力を誇っており、その黒海艦隊はバルト海艦隊、太平洋艦隊、北洋艦隊と並ぶ4大艦隊のひとつでもあるが、ここ2年は大敗を喫している。

黒海艦隊は約80隻で侵攻を開始した。ウクライナはそのうち27隻を破壊し、少なくとも15隻を修理が必要な状態にしたと主張している。とくに黒海艦隊の旗艦だった誘導ミサイル駆逐艦モスクワ、攻撃型潜水艦ロストフ・ナ・ドヌー、コルベット艦イワノベッツ、大型揚陸艦ツェーザリ・クニコフなどの損失は衝撃をもって受け止められたが、まだ軍艦の半数は残っている計算になる。



デービッド・ブレナン


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