ウォシュレットや炊飯器は「序の口」...ジョージア大使の「最強のおもてなし術」とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年3月30日 8時30分
ただし、私は生まれながらにしての「おもてなしの人」ではない。今でも日本に暮らすジョージア人は100人にも満たないが、1990年代初頭にはほとんどいなかった。そのため訪日するジョージア人にはレジャバ家がまず紹介され、わが家に連絡が来た。
そしてその訪日客を両親が自宅でもてなし、日本を案内して回っていたのだ。見知らぬ客人を手厚くもてなす両親に当時の私は違和感を覚えていたものだ。
しかし、今となっては当時の両親の気持ちがよく理解できる。それはジョージアと日本の両国を愛していたからであろう。さらに私の場合は、自分のアイデンティティーはジョージアと日本の両国から成り立っており、どちらかが欠ければ私ではなくなる。
だからジョージア人に日本を知ってもらい、日本人にジョージアを知ってもらうことは私自身にとって必要な営みなのだ。
頼る人がいない遠く離れた国で案内役となり、頼れる存在になれたのであれば、相手の記憶に深く刻まれる。そしてそれが友情の礎になる。
両親から受け継いだ「ジョージア流おもてなし」と日本で育んだ「日本流おもてなし」は今、私の仕事で強力な武器として生かされている。私にとって友情が財産であり続けてきたように、外交にとっても友情こそが財産なのだから。
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)
TEIMURAZ LEZHAVA
1988年、ジョージア生まれ。1992年初来日。早稲田大学卒業後にキッコーマン勤務を経て、ジョージア外務省入省。2021年より駐日ジョージア特命全権大使を務める。共著に『大使が語るジョージア』など。
ジョージア大使のX(旧ツイッター)
ニューズウィークに寄稿。 pic.twitter.com/gfBUdCteJs— ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使 (@TeimurazLezhava) March 27, 2024
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
普通の人々の質の高さこそ日本の国力 施光恒の一筆両断
産経ニュース / 2024年5月20日 12時14分
-
ジョージアの若き天才ピアニスト、ツォトネ・ゼジニゼが初来日コンサート「日本料理も楽しみ」
日刊スポーツ / 2024年5月18日 5時0分
-
ゆかりのチェリストを偲ぶ ジョージア大使がモニュメント来訪 大阪・河内長野
産経ニュース / 2024年5月17日 21時14分
-
「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの文化」をジョージア人と分かち合った日
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月11日 9時0分
-
リトアニア&ジョージア駐日大使が「イケメン」ほめ合う 若かりし頃の「都の西北」写真にほっこり
J-CASTニュース / 2024年4月30日 14時58分
ランキング
-
1ICCの逮捕状請求にイスラエル首相「恥知らずの決定だ」…バイデン大統領も「言語道断」
読売新聞 / 2024年5月21日 10時7分
-
2インタビュー:ウクライナ、同盟国の支援加速・直接関与を働きかけ=ゼレンスキー氏
ロイター / 2024年5月21日 8時12分
-
3ウクライナにロシア領をもっと自由に攻撃させるべき リトアニア外相
AFPBB News / 2024年5月21日 14時34分
-
4台湾総統就任式、中国が日本議員出席に抗議 「協調精神に反する」
ロイター / 2024年5月21日 15時41分
-
5中国外相、台湾新総統を批判 「国家と祖先を裏切る」
ロイター / 2024年5月21日 19時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください