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「妄想の塊で常識に欠ける」と人事的に大不評、Z世代の生かし方──米経営者調査

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月28日 14時40分

スペースは、長期的な業績向上を望むなら、目先の金儲けよりどうやってZ世代とうまくやっていくかを考えたほうがいいと経営者に説いている。

Z世代は権利意識が強くやっかいな世代だという見方は、彼らが就職した時代や、それまでに彼らがどんな経験をしてきたかに対する理解不足に端を発している場合もあると、人事コンサルタントのブライアン・ドリスコルは言う。

Z世代が社会人になったのは、IT技術が急速に進歩し社会的価値観が大きく変化した時期だった。また、新型コロナウイルスのパンデミックによるリモートワークは、新入社員のトレーニングの障害となった。

「Z世代を職場のやっかい者として扱うのは不当なだけでなく、職場は変化していくものだというもっと幅広い文脈を見落としている」とドリスコルは本誌に語った。「Z世代が仕事に、透明性や多様性の受け入れや目的意識を求めていることを(経営者は)しばしば曲解し、権利意識が強いとか信頼できないと思ってしまう」

給料より健康を選ぶ傾向も

ドリスコルに言わせれば、Z世代に「最も信頼できない」とか「最も心を病みそう」などとレッテルを貼るのは、経営者の側が従業員のニーズに応えることができていないことの裏返しだ。

「Z世代を問題児扱いするのではなく、上の世代なら縁のなかったような困難──不安定な経済もそうだし、ワークライフバランスや心の健康というものの概念を変えてしまった世界的なパンデミックもそうだ──に満ちた仕事環境の中を彼らは進んでいこうとしているのだと理解する事が大切だ」とドリスコルは言う。

ドリスコルによれば、Z世代の仕事に対する姿勢は上の世代とかなり異なるが、それにはもっともな理由があるという。

アプリを使った栄養管理サービスを提供しているライフサムがミレニアル世代とZ世代に対して行った調査によれば、71%は心身の健康に対するよりよい支援が受けられるなら明日にでも転職すると考えており、31%は今よりも幸せで健康的な労働環境と引き換えならば給与カットを受け入れる余地があると答えている。

「こうした変化を(職場に)取り入れれば、Z世代のもつ大きなポテンシャルを解き放つことができる」とドリスコルは言う。「雇用主は若い世代への文句ばかり言っていないで、Z世代は(自分たちの知らない)何かを理解しているかも知れないと考えるべきだ。どれだけ働いたかを自慢するだけが人生ではないのかも知れないと。もっといい働き方があるのかも知れない、もしかすると、こうした変化が経営者にとって生産性の向上につながるのかも知れないと考えるべきなのだ」



スザンヌ・ブレイク


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