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ルームメイトのブランケットが「ボロボロすぎる...」愛用の「ブランキー」にネット震撼

ニューズウィーク日本版 / 2024年4月5日 18時10分

(写真はイメージです) Leszek Glasner-Shutterstock

<一方でその残骸に執着するルームメイトに親近感を感じるという声も上がっている>

ノスタルジーにもほどがある――。そう思う人は間違いなくいる。

TikTokユーザーのグレイス(@grace_oliviat1d)もそのひとり。ルームメイトが何十年も持ち歩いている毛布らしき物体を動画で披露した。映っているのはボロボロになった布くずの塊だった。

【動画】ルームメイトのブランケットが「ボロボロすぎる...」愛用の「ブランキー」にネット震撼

この動画は3月12日に投稿されて以来、160万を超す「いいね」と7500を超すコメントを集め、グレイスのルームメイトの愛着品に対する共感や批判の声が相次いだ。

「ルームメイトの部屋に入ると愛用の『ブランキー』が目に入る」とグレイスは書き込んでいる。「ボロくず」

ユーザーの反応は早かった。

「こんなの毛布じゃない。フクロウが吐き出したものだ」と@ktima27は酷評し、別のユーザーは自分の母親が「潮時」をみて自分の子供時代の毛布を捨ててくれてよかったとコメントした。

一方で、子供時代の愛用品の残骸に執着するルームメイトに親近感を感じるという声も。

「祖母が私に作ってくれた。糸がほつれたり絡んだりしてもう修理はできないけれど、今も持ち続けている」と@branineは言う。

「私のブランキーはまだ全然そのまま。このコメント欄は自分が見られているみたい」という@socachildは「25歳になってもまだお気に入りのブランケットを持っている」と打ち明けた。

ブランキーの役割とは

子供の「ブランキー」や幼少時に手放せない玩具などは、保護者に対する依存から自立への移行を支える「移行対象」に分類される。大抵の場合、毛布や縫いぐるみが移行対象になる。

移行対象は、精神分析家D.W.ウィニコットが1951年の論文「移行対象と移行現象」で提唱した。ウィニコットによると、子供は移行対象を「自分ではない」とみなすことで、母親や保護者との関係になぞらええて、芽生えたばかりの自立心を高めていく。

やがて「文化的関心の発達」に伴い、移行対象への愛着が薄れるのが一般的だという。

学術誌「Child Psychiatry and Human Development」に発表された1998年の調査では、幼少期の移行対象に愛着があると答えた人の方が、そうでない人よりも母親とのつながりが強いことが分かった。一方で、青年期になっても移行対象に愛着を持つ人の方が精神症状が多く、全般的な幸福感は低い傾向にあった。

共感するしないは別として、グレイスの動画を見たユーザーの多くは、その状態を評価しないまでも、「ブランキー」には好意的だった。クリエイティブな助言も寄せられている。

「残った布の切れ端を拾って、お気に入りの縫いぐるみを開き、中に切れ端を縫い付けるといい。そうすればブランキーは生き続ける」(@internationalspacesatan)

(翻訳:鈴木聖子)

マリア・モラバ

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