紅麹サプリの「プベルル酸」はどこから来た? 人為的混入、遺伝子変異の可能性は【東大准教授が徹底解説】
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月10日 8時30分
紅麹の製造も相当に気を使う作業でしょう。菌の混入はあってはなりません。それが、今回はあったのではないかとの指摘が出ているのです。ただし、一般的な発酵食品に利用する微生物は古くから伝統的に利用される中で選び抜かれてきた極めて安全性の高いものであり、生産方法も成熟しています。安心して食べられるという点は強調しておきたいです。
※こちらは前後編インタビューの前編です。
後編は「問題はプベルル酸が入っていた「量」だ...小林製薬はなぜ異物混入を見抜けなかった? 東大准教授がゼロから徹底解説」
小倉由資(おぐら ゆうすけ)
東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 准教授。栃木県宇都宮市出身。2012年 同研究科博士課程修了、博士(農学)取得。専門は有機合成化学および天然物化学。英国オックスフォード大学化学科 博士研究員、東北大学大学院 農学研究科 助教を経て2020年より現職。学生時代より一貫して有機合成化学的手法による天然有機化合物の量的供給や構造決定に関する研究を展開。興味深い生命現象を引き起こす天然有機化合物の作用機構にも関心を持ち、合成化学的手法を利用した研究も進めている。最近ではミツバチに寄生して猛威を振るうダニの防除物質を発見し、その応用によるミツバチの保護を目指した研究に注力している。
小暮聡子(本誌記者)
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