爆発的な観光資源となったアメリカの皆既日食フィーバー
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月10日 9時20分
例えば前述のインディアナポリス市では、少なくとも10万人が来訪して経済効果は報道によれば4800万ドル(72億円)と言われています。全米では少なくとも10億ドル(1500億円)という概算もあります。これとは別に、皆既帯に入っていたメキシコやカナダでも相当な経済効果があったようです。
アメリカではこの先、次の皆既日食は20年後の2044年までありません。では、そこまで先ではなくて人口密集地、つまり交通アクセスの容易な場所で起こる皆既日食はまず、2028年にオーストラリアのシドニーがあります。
その後ということですと、実は日本になリます。
まず今から6年後、2030年6月1日に北海道で金環食が観測されます。この時の金環食帯が通過するのは、北アフリカからギリシャ、トルコ、ウクライナ、ロシアを通ってくるので、日本だけではありません。ですが、6月という新緑の素晴らしい季節の北海道で日食が見られるというのは、観光産業にとってはチャンスだと思います。
しかし、なんといっても日本にとって大きなイベントになるのは、2035年9月2日の皆既日食です。この時の皆既帯は、中国の北京から北朝鮮を横断して日本の能登半島から富山県、長野県、群馬県、埼玉県、栃木県、茨城県を通ります。中でも、群馬から栃木、茨城の北関東各県は、ほとんどの地域で皆既日食が見られるのです。
例えば、皆既日食が見られる筑波大学や群馬大学では、天文学についての啓蒙活動や日食を利用した実験などを計画していくことになると思います。それ以上に、今回、日食の面白さに目覚めたアメリカ人が、この北関東での皆既日食に殺到する可能性は十分にあります。受け入れ体制を用意して、その経済効果をしっかり確保することも必要になってくるでしょう。
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