「資産運用は簡単」の時代が日本にも到来?...実は「株価上昇しか知らない」世代は15年前から増えていた
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月10日 17時55分
日本の資産運用を取り巻く状況は、すでに変化しつつあるといえるのではないでしょうか。
(参考記事)平成バブルと並んだ令和の日本株 その実態を3つの視点から読み解く
高値更新が意味する「全員が含み益」
ここまで日経平均株価やTOPIXといった株価指数による資産運用について述べてきましたが、それらに直接投資する(指数を買う)ことはできません。それらの指数に連動するように設計された投資信託やETF(上場投資信託)を通じて投資することになります。
日経平均株価が史上最高値を更新したことで、これまでに、そうした投資信託などを買って保有していた人のほとんどが含み益の状態となりました。この意味は非常に大きいです。
近年、アメリカなどの海外株式を対象とした投資信託・ETFが人気を集めていますが、日経平均株価やTOPIXといった日本の株価指数に連動する金融商品で十分に利益を出せるのであれば、資産運用はより身近なものになるはずです。
日本株の低迷が、日本に資産運用がなかなか根付かなかった大きな要因のひとつです。でも、日経平均株価の史上最高値更新により、この問題は解決されました。そして、このまま日経平均株価が上昇を続けるなら、連動型商品の長期保有、つまりは「ホッタラカシ」でも資産が増えることになります。
すでに、日本の株価指数による資産運用の可能性に気付いている人も多いでしょう。アメリカと同じように、日本も資産運用が簡単な国になる日が近いかもしれません。2024年は、株価の行方とともに、資産運用のすそ野の広がりにも注目です。
[執筆者]
石井僚一(いしい・りょういち)
ベンチャーキャピタル勤務を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析などを得意とし、複数の媒体に寄稿中。なかでもIPO関連の執筆を数多く手がけており、IPO企業の目論見書のほとんどに目を通している。
※当記事は「かぶまど」の提供記事です
石井僚一 ※かぶまどより転載
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