ウクライナ軍、長距離ミサイルATACMSでクリミア大橋の攻撃を計画? レーダー撹乱用の米製デコイも使用
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月2日 15時26分
イザベル・バンブルーゲン
<4月末にもアメリカから供与を受けたばかりの長距離ミサイル「ATACMS」がクリミア半島に飛来、橋は一時通行止めに>
ウクライナ軍が先週、アメリカから供与を受けたばかりの長距離ミサイルATACMS(最大射程300キロ)を使って、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミア半島を攻撃。これにより、ロシア本土とクリミア半島を結ぶクリミア大橋が一時的に通行停止となった。
【動画】追加支援でウクライナ軍が受け取るATACMS、ストームシャドウ、ハスキーの実力
クリミア大橋に関する交通情報を定期的に更新しているテレグラムのチャンネルが、4月30日午前1時25分に「クリミア大橋は一時的に車両通行止めとなっている」との情報を投稿した。その後、通行止めは解除された。ロシア国防省は、6発のATACMSを迎撃したと発表した。
道路橋と鉄道橋が並行する全長約19キロメートルのクリミア大橋は、ロシア軍の重要な補給路として利用されており、ロシア軍がウクライナ南部で攻勢を維持する上できわめて重要な存在だ。クリミア奪還を目指すウクライナ側は2022年10月と2023年7月にこのクリミア大橋を攻撃しており、今後も攻撃を行うと宣言している。
ロシア軍が占拠しているウクライナ南部ザポリッジャで活動する親ロシア団体「We Are Together With Russia(我々はロシアと共にある)」の代表で軍事ブロガーのウラジーミル・ロゴフはテレグラムに投稿を行い、ウクライナ軍が4月29日の夜間にクリミア半島に向けてATACMSを発射したと述べた。
「ウクライナ軍が今夜、クリミア共和国に向けてミサイルを発射した」とロゴフは投稿し、さらにこう続けた。「クリミア半島の上空で、ロシア軍の防空システムが作動した。最新情報によれば、我々の防空システムは素晴らしい仕事をした」
米国製のデコイでレーダー撹乱か
ロゴフはさらに、ウクライナ軍は「平和なクリミア半島を攻撃するために、複数のATACMSを発射した」と主張。「この攻撃に先立ってクリミア半島に警報が出され、クリミア大橋が封鎖された」と述べ、「現在は橋の通行は再開されている」とつけ加えた。
ロシアとウクライナの戦争に関する最新情報を提供しているロシアのテレグラムチャンネル「SHOT」は、ロシア航空宇宙軍が運用する飛行場があるクリミア半島のシンフェロポリとジャンコイで爆発音がしたと報じた。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
ロ本土にウクライナ再攻撃=米ミサイルの残骸公開
時事通信 / 2024年11月27日 6時21分
-
“ウクライナ軍が米供与長射程ミサイルでロシア西部攻撃” 複数の負傷者も ロシア国防省「報復措置を準備」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 1時11分
-
黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウクライナ無人機攻撃の標的に 「巨大な炎」が撮影される
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月26日 21時25分
-
クリミアでロシア黒海艦隊の司令官が「爆殺」、運転席下の仕掛け爆弾で...現場映像が物語る爆発の威力
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月15日 18時6分
-
ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に突っ込む瞬間映像...カスピ海で初の攻撃
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月9日 9時32分
ランキング
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください