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日本と韓国では女性や若手の校長が特異的に少ない

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月2日 14時45分

次に年齢という観点から、若年層からの校長の出やすさも比較してみる。同じく「TALIS 2018」によると、日本の中学校校長のうち50歳未満の者(以下、若年層)は皆無だ。年齢主義が強く、若い人が昇進を望んでも、能力に関係なく「まだ早い」と止められたりする。対してアメリカでは校長の63.7%が若年層で、教員全体の若年層割合(69.0%)とほぼ等しい。校長の出やすさに年齢は関係なく、あくまで能力を重視するお国柄が出ている。

<図1>は横軸に女性、縦軸に若年層からの校長の出やすさをとった座標上に、48の国のドットを配置したグラフだ。

 

日本と韓国は、両軸とも値が低く左下の方にある。女性から校長が出る確率は期待値(1.00)の2~3割で、若年層からはゼロだ。「何ができるか(能力)」よりも、あくまで「何であるか(属性)」がモノをいう国で、文化のようなものも出ている。ここで押さえるべきは、日本は属性による昇進チャンスの閉鎖性が強い国であることだ。学校では、それがひときわ強く表れている。校長の登用の在り方を検討する余地があるだろう。

職歴(キャリア)という点でも、もっと多様性を促していい。制度上は、教員免許を持たない人も校長に採用でき(学校教育法施行規則22条)、民間人校長が学校経営に敏腕をふるうケースも増えている。学習指導要領がいう「社会に開かれた教育課程」を組むことにも寄与する。

<資料:OECD「TALIS 2018」>

 

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