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「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカネを取り戻せない」――水原一平の罪状認否を前に米大学教授が厳しい予測

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月9日 17時31分

水原は大谷の口座に自由にアクセスできるとブックメーカーに明言したのか。それとも、自分は大谷本人のギャンブルの単なる仲介者だと伝えたのか(現在では、この主張は虚偽とされている)。そもそも立証は困難だが、もし賭け金は大谷の口座から盗まれたものだとブックメーカーが知っていたかどうかを法廷で争ったらどうなるか。

ブックメーカー側の弁護人が採用する戦略は、大谷をギャンブルの「主犯」として指弾するか、年俸の何倍ものギャンブルを他人に許す愚か者と主張するかのどちらかだろう。

大谷にとって、この種のチキンゲームは得策ではないかもしれない。本当は大谷本人の賭博だったという主張が法廷で展開されるリスクをあえて冒す必要はない。たとえ最終的にこの主張の虚偽が証明されたとしても、かなりの数のファンが大谷は水原を身代わりにしたと判断するはずだ。

そう考えると、大谷にとって金を取り戻すことは最優先事項ではないかもしれない。口座から盗まれた金額は、大谷がキャリアを通じて手にするとされる20億ドルもの年俸やスポンサー料に比べればわずかな損失にすぎない。

たとえそれを取り戻せたとしても、親友だと思っていた人物に裏切られた心の痛みを思い起こさせるだけだろう。




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