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イスラエルがラファに投入する主力戦車「メルカバ」は世界屈指の破壊力

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月14日 16時56分

メルカバは最大8人の兵士を乗せることができ、電動式の砲塔と電磁的脅威を検知できる高度な防護装置も備えている。またメルカバには対戦車誘導ミサイルを迎撃するアクティブ防護システム(APS)「トロフィー」が装備されている。世界でも実戦でその効果が実証されているAPSは「トロフィー」だけだ。

「トロフィー」はイスラエルの軍需企業ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズとイスラエル・エアロスペース(IAI)傘下のエルタ・グループが共同で開発。4本のレーダーアンテナと射撃統制レーダーを備え、対戦車誘導ミサイルやロケット弾のような潜在的脅威を追跡できる。

脅威を検知すると、「トロフィー」が迎撃弾を発射してそれを無力化する。

ラッピンによれば、「トロフィー」を装備することで、イスラエル軍の戦車は人口が密集している都市部の戦闘区域でハマスの防衛線や対戦車待ち伏せを突破することができる。

「全体として、ガザでの戦車およびトロフィーシステムの使用体験は、ウクライナでの装甲車両の使用体験とは対照的だ。ウクライナでは、ロシア軍の戦車が対戦車ミサイルなどの対装甲兵器の攻撃で深刻なダメージを受ける例が多くある」と彼は記している。

イスラエル軍は先週、ガザ南部とエジプトの境界に位置し、また人道支援物資の重要な通過地点でもあるラファに向けて進軍を開始した。これは本格攻勢の開始に向けた動きとみられるが、イスラエルの主要な同盟国であるアメリカは、ラファへの侵攻に反対している。ラファには100万人超のパレスチナ人が避難しているからだ。

「戦後計画」がなければ勝利は一時的

元米海兵隊中佐で現在はジョージ・ワシントン大学で教壇に立っているマイケル・パーセルは、ラファでの「メルカバ」の使用は、ハマスを通常の戦闘に追い込みたいイスラエル軍の戦略の一環だと指摘した。

「だがアントニー・ブリンケン米国務長官や多くの軍事アナリストは、この戦略が通用するとは考えていない」とパーセルは言う。「彼らは、戦闘終結後に関する効果的な計画がないままで、分散化されネットワーク化されたハマスに対して従来型の軍事的勝利を挙げたところで、それは一時的な戦術的利益にしかもたらさないと考えている」

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