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存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月16日 15時57分

だがこの仮説が成り立つかどうかは、主星の「年齢」次第だ。年齢が若ければ別の星と合体することは考えにくく、90億年程度ならば合体の可能性はより高まる。

新たな研究を行ったチームはさまざまな方法を用いて主星の年齢を予測し、19億年から35億年という数字を導き出した。これは「合体説」の裏付けに必要な年齢よりもずっと若く、ハルラが今も存在している理由が合体ではない可能性を示している。研究チームは論文の中で、「19億年から35億年という期間は、2つの星が合体するのに必要な期間よりもずっと短い」と述べた。

ハルラが生き残った理由に関する仮説はほかにもある。ハルラがもともと主星ペクトゥから遠く離れたところにあり、ペクトゥが膨張してから接近してきたという説や、ハルラはペクトゥが収縮した後のごく最近になって形成された星だという説だ。

 

また新たな研究の中で、研究チームは主星ペクトゥの質量が当初考えられていたよりも約13%大きいと指摘した。これはペクトゥが、これまで推定されいたよりも小さいことを意味している可能性がある。そうなると、ハルラの公転速度は実際にはペクトゥからもっと離れたところで観測されたものである可能性があり、ハルラはこれまでずっとペクトゥの膨張半径の外にあったために呑み込まれたなかったのかもしれない。

いずれにせよ、この謎をきちんと解明するためには、さらなる調査が必要だと研究チームは述べている。

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