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アクティブシニアの多くは、「ゲーム」が日課...年を重ねても「元気と交流」が得られるとの調査結果が

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月23日 18時5分

16年、私はスペインのカタルーニャ州で高齢者とポケモンGOの関わりを調査した。すると高齢者は街角でポケモンを捕まえながら、若者と一緒になって遊んでいた。楽しく体を動かすことができるためリハビリ効果も抜群で、ソーシャルワーカーがポケモンGOを健康のために処方するほどだった。

こうしたゲームと世代間交流の関係を探る研究は増えている。一方、ペットとの関係にゲームが果たす役割には、なかなか光が当たらない。

3人に1人が人間よりも動物が好きだというくらい、オーストラリア人は動物好きだ。だがその現実とは裏腹に政府は高齢者福祉においてペットの重要性を認識せず、高齢者が施設に入る際にはペットと離れ離れになるケースも多い。

大勢の高齢者にとって、動物は体だけでなく社会的な意味でも健康維持に欠かせない存在だ。ならばペットとの絆をテーマにゲームを作らないのはもったいない。

筆者は高齢者と地域住民がペアでペットを散歩させるゲームを考案 KUMIKOMINI/GETTY IMAGES

ロックダウン中、メルボルンの獣医師らがつくるチェリッシュト・ペッツ財団は地域社会を応援しようと試行錯誤したが、その1つがゲームだった。私も財団のために英エディンバラ大学のジェーコブ・シーハン研究員と共同で「ペット・プレイング・フォー・プレイスメイキング」を開発した。ペットと暮らすシニアが地元住民とペアを組み、宝探し形式でほかのペアと競い合う「お散歩ゲーム」だ。

足腰が弱くウイルスへの免疫力が低い高齢者が家でパズルを解くと、パートナーのスマホに目的地が表示される。これを基にパートナーは犬などのペットを散歩させ、さまざまな場所を訪ね歩く。参加者からは地域社会とつながることができ、ペットも喜んだとの感想が寄せられた。

うまく年を重ねるには、感情と体と精神の全ての領域においてポジティブな道筋を見つけるのが肝心。それには社会との接点や敬意ある人付き合い、運動が大切になる。

ゲームは高齢者を元気付け、世代間の交流を充実させ、健康維持に効く。元気に老いるため、皆さん、もっと遊んでみてはどうだろう。

Larissa Hjorth, Professor of Mobile Media and Games., RMIT University

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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