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プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧州はロシア離れで対中輸出も採算割れと米シンクタンク

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月27日 14時59分

ガス需要を国内供給と中央アジアからの輸入に頼ることができる中国は、2030年以降までガスの追加供給を必要としないとも予想されており、ガスプロムと新たなガス供給契約を締結する場合、いかなる種類の上乗せ価格も認める気はないだろう、と報告書は分析する。さらに、ガス価格がはるかに安いロシアの国内市場や、南アジア諸国へのパイプライン建設における技術的・政治的な困難など、その他の障害によって、「ガスプロムは近い将来、八方塞がりの状態になる」という。

ベルリンを拠点とするエネルギー専門アナリスト、トーマス・オドネルは本誌に対し、ガスプロムの苦境は、ロシアのガスをヨーロッパに対して強い影響を与える道具として使おうとしたプーチンの戦術が裏目に出たことを示している、と語った。

「ヨーロッパに衝撃を与え、エネルギー戦争で服従させ、ウクライナと連帯させないための措置だったが、うまくいかなかった」と彼は言う。「プーチンは大量のガスを持っているが、それを売ることができない」

 

アトランティック・カウンシルの報告書によれば、ロシアの石油産業はガスプロムよりもうまく欧米の制裁を乗り切った。G7とEUはロシアのウクライナ侵攻に対する制裁として、ロシア産原油に60ドルという価格上限を設けた。だが原油は海港経由で輸送することができるため、ロシアとのつながりを隠して原油を輸送する「影の船団」と呼ばれる闇タンカーを使って、ロシアは制裁を骨抜きにしている。

ミロフは、ロシアの石油・ガス産業と国家財政はきわめて回復力が高いため、すぐに崩壊することはないが、「西側のエネルギー市場からのデカップリングにより、非常に困難な状況に陥っている」と結論づけた。

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