地球の水不足が深刻化...今世紀末までに世界人口の66%が影響を受ける恐れ
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月29日 14時30分
「考えられる最悪のケースでは、人口の3分の2が、年間1カ月以上にわたってきれいな水の不足に見舞われる。それより楽観的な推定に基づくと、影響を受ける人口は程度は低いながら間違いなく増加するものの、途上国で大幅に増加する状況が依然として顕著だ」
研究チームはまた、水質問題が世界中で水不足の大きな原因になっているとも指摘した。過去の水不足に関する研究では、この点について必ずしも言及していなかった。
ジョーンズは言う。「今回の研究に関して言えば、水不足の研究に水質問題を含めることを標準とするのが我々の重要目標だった。水の利用可能性と比べると、水質は今なお『目に見えない』部分だが、人が安全に使用できる水の確保は、物理的に使用できる水を適度な分量確保することと同じくらい重要だ」
この分野ではもっとやるべきことがあるとジョーンズは言い添えた。研究チームは今後、アプローチを広げて水質関連の構成素を増やすことを目指す。気候変動の悪化に伴い、さらに過酷な状況に基づいてこの問題を検討する必要にも迫られる。
「気候変動によって異常気象(干ばつ、猛暑、洪水)の頻度や規模が増すことは分かっている。水質がそうした事象の影響を受けやすいことも分かっている」とジョーンズは言う。「従って、過酷な条件下で水質を測るためにさらなる努力が必要であり、そうした事象下で分野ごとの水の使用や使用可能性がどう変化するかも詳しく調べなければならない」
(翻訳:鈴木聖子)
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