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ここがヘンだよ日本の永住権...エリート外国人には「踏み台」に使われ、非エリートには差別的

ニューズウィーク日本版 / 2024年6月7日 10時49分

それはほかの国に行くため、だ。日本の永住権を持っていれば、多くの国で高く評価される。また永住権を持っていれば他国での生活や仕事が思うようなものでなかった場合、いつでも日本に戻れる。つまり、高度人材の中には日本が「プランB」となってしまっている人がいるのだ。

私はそういった外国人を何人も見てきた。一流大学院を出て大企業や大学に就職しても、すぐに良い仕事を見つけて海外へ移住してしまう。その多くは日本に戻らない。全く残念な話だが、この制度をつくった方々は、こうした事情を理解しているのであろうか?

私は、日本に帰化した元外国人の一人として、特別高度人材制度や安易な外国資本受け入れだけではなく、「ポイント」が低くとも日本語を学びながら真面目に地道に働く外国人をもっと大事にする国であってほしいと思う。確かに円の国際競争力が以前のような水準に戻る可能性は低いだろう。金銭的には日本で働くことのメリットは低いままということになる。

それでも来日して働く外国人は、金銭以外のメリットを日本に感じているのだから、そういう人が安心して家族と住める日本にする制度を充実させてほしい、と切に願う。だが今回の永住権「剝奪」につながる法改正は、そういう外国人を失望させるものになってしまっていて、残念である。

石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
Twitter:@IshinoShahran




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