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頭がよくなる魔法の薬「ヌートロピック」って何?

ニューズウィーク日本版 / 2024年6月4日 18時50分

2.L-テアニン

L-テアニンはサプリメント、ガムや飲料の形で製品化されているアミノ酸で、緑茶にも多く含まれる。

L-テアニンをサプリメントとして摂取すると、脳内でα波(アルファ波)が増加する可能性がある。α波は緊張や警戒感、落ち着きと関連している。

だがL-テアニンが認知機能にどのような効果をもたらすのかは、まだはっきり分かっていない。L-テアニンを1回摂取した場合と一日1回の接種を数週間続けた場合の比較など、さまざまなグループを対象としたさまざまな研究が行われているが、一貫性のある結果は示されていない。

それでも一つの研究では、L-テアニンとカフェインを一緒にサプリメントとして摂取した場合、認知機能と注意力が向上した。若い成人がL-テアニン97ミリグラムとカフェイン40ミリグラムを同時に摂取した場合、タスクの切り替えが正確になり、注意力も高まった。

またこれと同じ量のL-テアニンとカフェインを摂取した別の研究では、注意力が改善するなど、複数の認知機能の向上がみられた。

L-テアニンは副作用は少ないが、長期にわたって使用した場合の効果や安全性を示す試験はまだ十分に行われていない。最適な摂取量を検証するための大規模かつ長期にわたる研究も必要だ。

3.アシュワガンダ

アシュワガンダはインドの伝統医療アーユルヴェーダで記憶力と認知機能の向上のためによく使用されている植物エキスだ。

ある研究では、健康な男性が毎日225~400ミリグラムのアシュワガンダを30日間にわたって摂取した場合に認知機能の改善がみられた。認知の柔軟性(タスクの切り替え能力)、視覚的記憶(画像を思い出す能力)、反応時間(刺激に対する反応速度)や実行機能(規則や分類の認識と迅速な意思決定の管理)にかなりの改善がみられたという。

軽度認知障害がある年配者にも同様の効果がみられる。だがアシュワガンダのサプリメントを使用したこれまでの研究は比較的規模が小さく、期間も短いため、研究結果については慎重に受け止めることが必要だ。

4.クレアチン

クレアチンは身体がエネルギーを生成する過程に関係している有機化合物で、スポーツサプリメントとして使用されているが、認知機能にも効果がある。

入手可能な証拠を検証した研究では、66~76歳の健康な成人がクレアチンのサプリメントを摂取すると短期記憶が改善された。

クレアチンのサプリメントを長期にわたって摂取した場合にも、効果がある可能性がある。別の研究では、新型コロナウイルスへの感染後に疲労感に悩まされている人々が一日4グラムのクレアチンを6カ月にわたって摂取し続けたところ、集中力が改善し疲労感が減少したという結果が示された。クレアチンは脳の炎症や酸化ストレスを軽減し、認知機能を改善し、疲労感を軽減させる可能性がある。

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