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中絶薬ミフェプリストンの合法使用、最高裁が認めるも...安全性巡る論争の行方

ニューズウィーク日本版 / 2024年6月17日 16時0分

最高裁は今回、原告側の主張そのものの是非を審理しておらず、FDAの権限については判断を避けている。それでも差し当たりは、これまでどおりミフェプリストンを購入できる。

──今後、経口中絶薬をめぐりほかに裁判が行われる可能性は?

下級審で係争中の裁判が既にいくつかある。それに、アイダホ、カンザス、ミズーリの3州は早くも、今回の最高裁の判断に異議申し立てする構えを見せている。従って、ミフェプリストンの問題が再び最高裁で取り上げられる可能性がある。

一方、この5月には、ルイジアナ州がミフェプリストンともう1つの経口妊娠中絶薬を規制薬物に指定した。依存性と乱用のリスクがあるというわけだが、その判断に科学的な根拠はない。

もし11月の大統領選でトランプ前大統領の返り咲きが決まれば、FDAはミフェプリストンの処方に関する規制を再び厳格化するかもしれない。極めて異例のことではあるが、その可能性は排除できない。実際、中絶反対派はそうした戦略を提唱している。

ミフェプリストンの流通は、当面これまでどおり認められるが、この問題に決着がついたとはとうてい言えない。

Naomi Cahn, Professor of Law, University of Virginia and Sonia Suter, Professor of Law, George Washington University

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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