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存亡の危機に陥った輪島塗はどうなった?若手が語る「職人仕事」のリアルと崖っぷち

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月2日 16時0分

 

――若手の育成に必要なことは。

おそらく将来的には、ある程度の規模の塗師屋が職人を雇い、固定の給料を払いながら仕事をしてもらう仕組みになるのではないか。職人さんを複数人、ベテランと若手の両方を雇って、その中で技術を継承していくしかないのでは。もしくは、例えば下地の職人たちが寄り合って下地屋の会社をつくり、そこで若手も育てるという業務形態にするやり方もあり得るかもしれない。

若い人たちに、職人仕事の魅力も発信していきたい。上司も部下もいない独りの世界で、納期を守れば自分のペースで仕事ができる。そういう仕事を好む人もきっといるだろう。

――輪島塗の3年後、5年後、10年後はどういう未来だと考えるか。

3年もすれば、ベテランの職人さんが少しずつ戻ってきてくれて、仮設工房を建てて仕事をする人もいるだろう。問題は3年後、5年後にやっと以前の状態に近づいた後、今度はベテラン世代がいなくなる。その前にどうやって仕組みを変えて、技術継承していくか。

5年後、10年後をどうするかをいま話さないと駄目だろうと思う。成功するかどうかは分からないが、失敗したら輪島塗はもう業界ごと終わりだと思っている。

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