イタリアでリビア向けの中国製ドローンを押収、UAEなどを通じて途上国中に拡散する実態
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月4日 18時24分
同紙によれば米諜報当局は、4月に中国南部の塩田港を出発したコンテナ船「MSCアリナ」が、ハフタル率いるリビア国民軍が実効支配するリビア東部ベンガジの港に向かっているのではないかと疑っていたという。
英タイムズ紙は6月30日、イタリア当局が週末に3つの疑わしいコンテナの出荷を阻止する準備を進めていると報道した。カナダが4月にリビアへの軍装備品売却を阻止したことをきっかけに始まった長期的な調査の一環として行われたものだ。カナダでは4月に元国連職員2人が、リビアに中国製のドローンなどを売却する計画に関与したとして逮捕された。問題の計画ではその後、ハフタルが支配するリビア国内の油田から採掘された原油が中国に輸出されることになっていた。
ハフタルはロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友で、過去にはプーチンの私兵と呼ばれたロシアの民間軍事会社「ワグネル」の支援も受けていた。プーチンは2023年9月、ハフタルをクレムリンに迎えている。ロシア軍は地中海を挟んだ反対側のナポリに司令部を置く米海軍第6艦隊に対抗すべく、リビア東部のトブルク港へのアクセスを拡大したいと考えており、プーチンがハフタルとの会談を行った背景にはそうした狙いがあるとみられる。
米国務省は6月、ロシアの国有企業ゴズナクにも、10億ドル超相当のリビアの「偽札」を印刷して「リビアの経済問題をさらに悪化させた」として、ゴズナクに制裁を科した。
【画像】イタリアでの押収の現場
AADM
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
NATOがエイブラムス戦車85両を含む機甲旅団をポーランドに配置、ロシアの動きを牽制
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月2日 14時54分
-
貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン発射システムが劣勢を引っ繰り返す
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月24日 17時49分
-
アングル:中国、ロ朝の関係緊密化に距離 対西側関係の不安定化望まず
ロイター / 2024年6月20日 18時44分
-
この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「珍しい」とされる理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月14日 22時15分
-
ロシア軍が「警戒を弱める」タイミングを狙い撃ち...ウクライナがドローン攻撃で戦車を次々に爆破する映像
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月8日 12時33分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください