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脳の「バグ」が痛みを増幅? 意識を変えることで疼痛を軽減する新療法

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月8日 10時40分

この装置はたいていうまく機能するのだが、何カ月、何年、何十年も痛みを感じ続けていると、痛みを処理する経路が過剰に反応し、普通は痛みに関与しない脳の領域が作動するようになる。さらに慢性の痛みは脳細胞の一種であるグリア細胞を活性化させる。脳内のこうした変化が痛みを「定着」させるのである。

科学者とは異なり、腰痛を抱える人たちが痛みの原因は腰にあるはずだと考えるのも無理はない。原因が脳だろうと何だろうと、実際に腰が痛いのだから。とはいえ、痛みを効果的に治療するには、痛みの根本的な原因を突き止める必要がある。

私たちの研究では、参加者に慢性腰痛の原因は何だと思うかを自分の言葉で答えてもらった。参加者たちが挙げたのは、けがや関節炎など身体的な要因ばかりで、心や脳に言及した人はほぼいなかった。

PRTの目的の1つは、痛みの原因について異なる考え方ができるようにすることだ。PRTを受けた後では、「不安」や「恐怖」など心や脳に関する回答が約半数を占めた。

痛みに対する考え方が変化するにつれ、参加者の腰痛は軽減していった。考え方が変わることで痛みへの恐怖が減り、運動や社会参加など痛みを軽減する行動へとつながるためだろう。まずは原因を正確に特定することが痛みを治す第1歩だ。

Welcome to 'Health Science Radio', the newly rebranded podcast straight from #CUAnschutz!Yoni Ashar, PhD, led a study that shows many cases of chronic back pain are driven by the brain, and can be healed with a new, non-surgical, non-drug treatment. 🧠 https://t.co/TnJ5mUC6s0 pic.twitter.com/mvYH6aHk1N— CU Anschutz Medical Campus (@CUAnschutz) January 26, 2024

Yoni Ashar, Assistant Professor of General Internal Medicine, University of Colorado Anschutz Medical Campus

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.




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