1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

「ハマス殲滅」は、なぜ「空想」なのか?...国際社会が放置してきた「大きなツケ」

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月9日 11時13分

しかし、ハマス自らが統治を断念することは現実的ではない。ガザ地区にはもともと、行政の中枢機能を担う象徴的な場所や政府があったわけではなく、ハマス系の公務員が各種の行政手続きを担っていたにすぎない。

イスラエルが殺害を宣言するハマスのガザ地区指導者ヤヒヤ・シンワルは、イデオロギー的なリーダーであっても、行政府の指導者とは違う。「ここが占拠されたらハマス陥落」というような場所もなく、何をもってハマスのガザ統治が終結したと判断するのかのシナリオは描けていない。

何よりハマス統治が終わったとして、230万人が暮らしていた地区を誰が統治するのか。パレスチナ自治政府が最有力候補だが、ネタニヤフ首相および極右政治家たちは自治政府によるガザ統治を認めるつもりはない。

また、パレスチナ自治政府はヨルダン川西岸地区でも機能不全に陥っている。人心を掌握できないなかで、ガザ地区の統治に乗り出すことが本当に可能なのか、外交関係者は頭を抱える。今まさに国際社会が自治政府の立て直しに躍起になっているところだ。

ガザでの戦闘が終わったとしても、それは次なる混沌の始まりとなる。17年にわたるハマスの実効支配や封鎖をそのままにしてきた国際社会は、いま改めて大きな課題を突き付けられている。

ネタニヤフへの反発と言われたハガリ報道官の発言

Israel army spokesman says Hamas cannot be eliminated • FRANCE 24 English/FRANCE 24 English

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください