未来の海を航く...エコでサステナブルなグリーン・クルーズ体験
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月11日 18時0分
海洋の生物多様性:フランスのブレストからアイスランドのレイキャビクへ
ポナンのユニークなクルーズは、初のハイブリッド電力極地探検船ル・コマンダン・シャルコーに乗船し、フランスからアイスランドへ5日間の航海を楽しめる。船上では環境スペシャリストの講演やディスカッションを通じ、極地について学ぶことができる。
帆船:フランス・カンヌからバルバドス・ブリッジタウンへ
スター・クリッパーズの客船ロイヤル・クリッパーは42枚の帆で風をとらえ、二酸化炭素を排出せずに大西洋を横断する。伝統を受け継いだデザインに惑わされてはいけない。この豪華客船は遊泳プール完備で、数週間の航海中にウォータースポーツが楽しめる。風力で動力をまかなえない部分は、低硫黄燃料を利用する。
沿岸クルーズ:ノルウェー・フィヨルド
ハヴィラ・ヴォヤージュのクルーズ船に乗船してノルウェー沿岸を北上あるいは南下する乗客は、持続可能な旅を体感できる。航海は最長で12日、ベルゲンからキルケネスまでを往復して34の港に寄港する。搭載の大型バッテリーパックは二酸化炭素を排出せずに4時間の航行ができ、船の移動中に水力発電で充電できる。
女性活用:ヨルダン・アンマン
ユニワールド・リバークルーズの「栄光のエジプトとナイル川」コースには、イラク・アルアミール女性協同組合での1日体験や、陸上で3泊するプロジェクト立案支援が盛り込まれている。同センターはワディシール村のヨルダン人女性150人の経済的自立、生活水準の向上、同地域の遺産保全を目指している。船上では紙のメニューや地図の代わりにQRコードを使い、エネルギー使用を抑えるため窓にUVフォイルを貼るなど、さまざまな形で持続可能性を追求している。
低フットプリントアジア:ドバイからシンガポールへ
ヴァージン・ヴォヤージュの客船は二酸化炭素排出の実質ゼロを目指している。目的地でも気候に重点を置く。16泊の航海はドバイを出発してムンバイ、ゴア、コロンボ、プーケット、クアラルンプールを経由し、シンガポールに到着。ツアーは島内サイクリングやマングローブの森を抜けるカヤック体験、地元の家庭での料理教室など、低カーボンフットプリントのアクティビティが用意されている。
文化交流:横浜
3カ月で世界を1周するピースボートのパシフィック・ワールドでは、国連の「持続可能な開発目標」を追求しながら、船内と船外で文化交流を深められる。船内では気候変動ワークショップ、船外では植樹や海岸の清掃に参加できる。世界一持続可能なクルーズ船をうたう新造船のエコシップは、ソーラーパネルを装着した折りたたみ式マストを備え、垂直農場もある。
風力船:タヒチ島パペーテ
風力ヨットで何日もかけてタヒチをめぐるウィンドスターのクルーズは、南太平洋の自然に囲まれた光景がすぐそこにある。待っているのは最高のスノーケリングが堪能できる澄み切った海、手つかずのビーチやジャングル。星空の下、炎のショーが楽しめるビーチでのプライベートディナーや、ポリネシア文化に浸りきる特別な体験も予約できる。
(翻訳:鈴木聖子)
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