運動しろ!たばこ吸うな!チーズ食え!健康長寿の秘訣を伝授
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月16日 14時0分
ジェス・トムソン(科学担当)
<幸福感を大切にするライフスタイルでレジリエンスが向上>
チーズを食べて幸せな気持ちになると、健康的に年を取れるかもしれない...ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア誌に掲載された論文によれば、精神的ウェルビーイングは、年を取るにつれて健康に影響する最も重要な要因の1つだ。
つまり、精神的な幸福感を高める行動は、チーズや果物を食べることでも、活発に動くことでも、より良い加齢を促す可能性がある。
「健康的に年を取るためには、健康の質と寿命のギャップを埋めることが不可欠だ。感情的、心理的、社会的な幸福を含めた精神的ウェルビーイングは、多くの生活習慣行動や疾病と相関関係があり、健康的な加齢を支える」と論文は述べている。
研究チームは精神的ウェルビーイングと健康的な加齢の関連性を調べるために、それぞれ80万~230万人分の情報を含む8つのデータセットについて遺伝的特徴を分析した。
その結果、精神的ウェルビーイングが高い人ほど、健康的な加齢のためのレジリエンスの向上、健康に関する高い自己評価、長寿の傾向が見られた。これには貧富の差は関係ないが、高収入や高学歴はウェルビーイングに影響を与えていた。
また、運動不足、喫煙、テレビの長時間視聴はウェルビーイングの低さに、チーズや果物を多く食べることはウェルビーイングの高さに、関連があることも分かった。
「座りがちなこと(テレビの視聴時間)、喫煙(喫煙を始めた年齢と1日の本数)、チーズと新鮮な果物の摂取量のほか、医薬品(降圧薬と非ステロイド性抗炎症薬)の使用、認知能力、初潮年齢などの行動や能力も、それぞれウェルビーイングが(健康的な加齢に)及ぼす影響全体の1・82~9・54%を媒介していた」「これらの媒介因子のほとんどは、加齢に関連する転帰(結果)との関係が確立されている危険因子である」
論文はこれらの知見が、「メンタルヘルスの問題がもたらす加齢格差の解消」にも役立つだろうと述べている。
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