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韓国でLINEユーザーが急増した理由 日本への反発?

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月17日 15時55分

LINEが日本に奪われないように利用しようと呼びかけ

LINEが日本に奪われないように利用しようと呼びかける人たちも現れた。
LINEは韓国インターネット最大手のネイバーの日本子会社が開発したアプリである。ネイバーはワッツアップ(WhatsApp)やカカオトークに対抗するネイバートークを2011年2月に開発したが、カカオの牙城を崩すことはできなかった。直後、東日本大震災で家族や親戚との連絡に苦心する様を見た李海珍会長が日本での開発を決め、同年6月、LINEサービスを開始した。

2013年以降、LINE株式会社が運営を担ったが、2021年にソフトバンクとネイバーが共同出資したAホールディングス傘下のLINEヤフーに移行した。運営はソフトバンクが主導、技術やサーバはネイバーに依存した。

LINEヤフーは44万件の個人情報が流出

昨年11月、LINEヤフーは44万件の個人情報が流出したと明らかにした。原因はネイバークラウドに対するサイバー攻撃だった。総務省は今年3月5日と4月16日、「LINEヤフーがシステム業務をネイバーに過度に依存しており、セキュリティ対策が十分でなかった」として、再発防止策の構築とネイバーとの関係見直しを要請、7月1日を報告期限とした。

総務省の要請を受けたLINEヤフーの出澤剛最高経営責任者(CEO)は5月8日、ネイバーへの委託をゼロにする方針を示し、ネイバー側の役員であるシン・ジュンホ最高製品責任者(CPO)が退任した。

総務省への報告期限が迫った6月28日、LINEヤフーは日本国内向け開発などの業務委託を25年12月までに終了し、26年3月までにネイバーとのネットワークを分離する計画を発表した。一方、資本関係の見直しは短期的には困難としたが、総務省が改めて関係見直しを要請する可能性は否めない。

こうした日本側の動きに、LINEが日本に奪われると懸念する韓国側の反発が起き、韓国でのLINEの新規ダウンロードが増えた要因とも言われている。また、今年5月には、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、岸田文雄首相との会談で、「不必要な懸念にならないよう」と述べたとされる。

ネイバーは2000年11月、日本法人を設立して、日本語検索や日韓翻訳サービスなどを開始したが、日本市場で市民権を得ることができず、2005年に終了。2009年、日本語検索を再開してネイバーまとめを開始するもわずか2年で縮小を余儀なくされた。起死回生をかけた3度目の正直がLINEだった。LINEを武器に日本市場で市民権を得たネイバーだが、韓国でどれほどLINEのダウンロードが増えても、分離は時間の問題とも言えるのではないだろうか。

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