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「環境に優しい」パリ五輪の徹底ぶりと限界...食事や設備で工夫も「グリーンウォッシュ」批判がやまない訳

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月29日 16時40分

これだけやってもまだ完璧ではないと、大会批判派は指摘する。大会期間中の排出量の約50%は、選手と役員、観客の移動と宿泊によるもの。この排出量(特に航空機の移動)を削減することは極めて困難だ。

組織委員会はこれを埋め合わせるため、多くの国でカーボン・オフセットを活用する意向だ。

パリ大会の過大な宣伝文句には、うわべだけの「グリーンウォッシュ」との批判もある。そもそも現在の形の五輪は、環境に優しい未来と相いれないと主張する批判派もいる。

一部では開催を複数の国で分担する分散型モデルの採用を望む声も出ている。既に必要なインフラを備えた3、4都市だけで持ち回り開催すべきだという意見もある。

パリ五輪は感動のゴールシーンや新記録だけでなく、組織委員会の持続可能性への取り組みによっても記憶に残るかもしれない。温室効果ガスを排出しないわけではないが、過去の大会よりは大幅に改善されている。

2032年大会の開催地ブリスベーンを含む今後の大会組織委員会が、このバトンを受け継ぐことを期待しよう。

Tony Heynen, Program Coordinator, Sustainable Energy, The University of Queensland and Prabhakaran Vanaraja Ambeth, PhD student, The University of Queensland

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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