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アメリカの温室効果ガス排出量、今後10年で最大56%削減の可能性

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月31日 18時0分

「幸いなことに、この作業で1つはっきりしたのは、クリーンエネルギーはもはやアメリカ経済のニッチな部分ではないということだ」とキングは言う。「これは我々のビジネスの一部になりつつある」

クリーンエネルギーへの投資や雇用が増大すれば、翻って気候変動対策に役立つ政策の支持者が増える。ただし、ロジウムの予想通り排出量が大幅に減ったとしても、国連のパリ協定(地球温暖化対策の国際枠組み)に基づくアメリカの約束を果たすにはまだ足りない。パリ協定では、最も危険な水準の地球温暖化を防ぐために各国が取るべき行動を定めている。

トランプ再選ならどうなる?

今回の予測に確実性は何もないともキングは言う。経済成長やクリーンエネルギー技術の経済性の劇的な変化、あるいは国の気候・エネルギー政策の方向転換があれば、排出の未来は一変し得る。

来たる大統領選は大きな要因になりそうだ。共和党候補者のドナルド・トランプ前大統領は、バイデン政権の気候変動対策の多くを覆すと公約している。

「ホワイトハウスの実権をトランプ政権が握り、同時に議会の実権も共和党が握れば、インフレ抑制法の中心的な理念が覆される危険がある」(キング)

環境規制当局の権限を制限したアメリカ最高裁の最近の判決も、発電所や車からの排出量を制限する新規制を通じた気候変動対策の効果を減退させかねない。

ロジウム・グループの報告書のほかにも、来たるべきクリーンエネルギーの世界を指し示すエネルギー予測は相次いでいる。7月には国際エネルギー機関(IEA)が世界の電力製造に関する見通しを改訂し、再生可能エネルギーは2025年に歴史的節目に到達すると予測。クリーンエネルギーの発電量は、初めて石炭火力発電量を上回るとの見通しを示した。

(翻訳:鈴木聖子)

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