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体感39度超のなか釜山市民千人以上が5時間行列、熱中症で搬送も 公営住宅追加募集で大混乱

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月6日 20時0分

猛暑の中、体調を崩して倒れる女性も SBS / YouTube

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<割安な公営住宅「幸福住宅」の募集は怒号の場と化した>

日本同様に連日猛暑が続く韓国。釜山市も5日朝、猛暑警報と共に安全規則を守ってほしいというメールを市民に送った。ところが、市傘下の釜山都市公社が、公営住宅の追加募集で杓子定規な「現場受付」にこだわったために、1000人以上の市民が長時間行列する事態が発生。警察や消防まで出動する大混乱が生じた。韓国メディア、SBS、釜山日報、国民日報、ファイナンシャルニュースなどが報じた。

体温38度、熱中症で倒れる女性も

「整理券を渡せばいいじゃないですか。ふざけてるんですか。ここにいる人たちはみんな朝6時に来たんです!」

猛暑の中で長時間待機させられた市民の怒りの声が響きわたる。釜山市釜山鎮区(プサンシ·ジング)の釜山都市公社前には長蛇の列が出来ていた。

釜山都市公社は5日午前、公社が保有している2つの団地の追加入居者募集を実施した。募集対象は合計62世帯、入居資格は若者世帯と新婚夫婦、高齢者などで、周辺相場の60〜80%の家賃で供給する公共賃貸住宅だった。これだけならいいのだが、問題は応募受付方法だった。都市公社は先月19日「受付は8月5日から9日までの5日間、公社1階で先着順受付を通じて行われる」と発表。混乱が生じるのはその時点で目に見えていた。

「先着順」という言葉に、釜山市民たちは5日午前5時から行列を作り始めた。都市公社1階のロビーから始まった列は、一時、都市鉄道の釜岩(プアム)駅を過ぎて数百メートル以上続くほどまで伸びた。当初の計画では午前8時以前に到着した申込者は抽選で入居者を選び、午前8時以後に到着した申込者は先着順で決めるという予定だった。

ところが公社側が準備した整理券は500番までしかなかった。この日、早くから行列に並んだA氏(44)は「2000人を超える人が殺到したと聞いた」とし、「公社側が数時間もきちんとした対応を取らなかったため、わけも分からないまま、市民たちは蒸し暑い中でとめどもなく待たなければならなかった」と不満を吐露した。

午前11時を過ぎた頃、公社の建物の外で並んで待っていた20代の女性がめまいと嘔吐の症状を見せ、倒れ込んだ。駆けつけた救急隊員は、彼女の体温が38度まで上がっていたことを確認し、応急処置後、すぐに近くの病院に搬送した。彼女は炎天下の下、3時間ほど並んでいたという。

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