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株価暴落の世界的連鎖は地政学危機に拍車をかける

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月6日 18時13分

「株価の急落を受けて激戦州がトランプ支持に傾く可能性がある。トランプの貿易政策や経済政策が内向きなことを考えると、これは長い目で見て、市場や経済にとって悪いニュースになるだろう」と彼は述べた。

だがアメリカのインフレは現時点では大きな問題ではなく、先日の雇用統計もさほど悪い内容ではなかった。まだ差し迫って対策が必要な段階ではないとブルッキングスのブルックスは指摘する。



「米政府やFRBの政策立案者たちは、平静を呼びかけるべきだ。雇用状況はそれほどひどくないし、インフレも穏やかに見える。景気後退が差し迫っている兆候はみられない」と彼は述べた。

リーマンショックの2008~09年と今回の市場混乱には、大きな相違点もある。2008年の金融危機がきわめて有害だったのは、サブプライム住宅ローンとその派生商品の破綻が銀行や保険会社、さらにはヨーロッパの地方銀行にまで巨額の損失をもたらし、また信用フローや再保険などを通じてシステム全体に影響を及ぼして、危機をさらに悪化させたからだ。

今回の危機も厳しいものだが、当時とは性質も異なり、より脅威は少ないとされている。

それでも心理的な影響は重要であり、市場の下落は信頼を揺るがせる。西側の民主主義の枠組みのみならず、西側の経済モデルもまた批判や圧力にさらされているこの時期に、世界的な信頼の危機が加われば、すでに一触即発の地政学的状況にさらに好ましくない要素が増えることになる。

From Foreign Policy Magazine




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