EV制覇を狙うインドネシア 「バッテリー製造」に必要なニッケル、コバルトの生産量で世界をリード
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月13日 20時12分
高木由美子(本誌記者)
<2045年までに先進国入りする──そんな国家目標を掲げたインドネシアが大きな賭けに出た。電気自動車(EV)生産で世界の中心地になろうとしている>
大胆ながら、理にかなった計画と言えるかもしれない。何しろインドネシアは、EVバッテリー製造に必要なニッケルの生産量では世界の半分近くを占め、コバルトの生産量もコンゴに次ぐ2位。政府は補助金や税制優遇で成長分野のEVを推進している。
既に韓国の現代自動車や三菱自動車など大手がインドネシアでEV生産を開始している。中国の比亜迪(BYD)も今年中に参入予定だ。
とはいえ、インドネシアのEV生産が快適に走り続けるには課題も多い。アメリカやEUで保護主義的な政策が進み、自国のEV生産保護のためにインドネシアからの輸出を阻む可能性がある。
技術革新によりニッケルもコバルトも使用しないLFPバッテリーが世界で急成長しているのも懸念材料だ。
高価だがより環境に優しいこのバッテリーは、従来型バッテリー頼みのインドネシアEV業界を脅かすだろう。さらにはEVブームに乗りたいライバル国が増える可能性も高く、厳しい競争になりそうだ。
この記事に関連するニュース
-
韓国のベンツEV全焼火災、バッテリーは「中国産」…品質問題が再燃
KOREA WAVE / 2024年8月6日 17時59分
-
LGエナジーが中国企業と交渉、欧州向け低コストEV電池生産へ
ロイター / 2024年7月24日 14時48分
-
中韓のEV・電池メーカーがタイとインドネシアに積極進出―香港メディア
Record China / 2024年7月23日 5時0分
-
豊田章男氏の"警告"に世界がようやく気付いた…EVメーカーの「ハイブリッド車投入」が相次いでいる理由
プレジデントオンライン / 2024年7月22日 9時15分
-
インドネシアが「中国EVメーカー」積極誘致の背景 ニッケル採掘から完成車まで一貫生産目指す
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 16時0分
ランキング
-
1「給料を下げさせてほしい」と頭を下げた日があった…スーパー「アキダイ」名物社長を動かした"従業員の一言"
プレジデントオンライン / 2024年8月13日 16時15分
-
2【速報】小林製薬 新たに11件分の死亡事例を発表 厚生労働省に報告漏れ「紅麹サプリ」巡る健康被害問題 会社側「取扱いが徹底できていなかった」
MBSニュース / 2024年8月13日 16時35分
-
3【速報】「プッチンプリン」販売再開を江崎グリコ発表 8月13日以降、順次店頭に「お帰りなさい」「夢に見るほど待っていました」SNSに再開を喜ぶ声も
MBSニュース / 2024年8月13日 12時15分
-
4【東海道新幹線・在来線】8月16日(金)~17日(土)“計画運休や運転見合わせの可能性”を発表 台風7号接近で
CBCテレビ / 2024年8月13日 18時51分
-
5斉藤寛さん死去=菓子のシャトレーゼ創業者
時事通信 / 2024年8月13日 16時56分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください