生後2日で空襲警報...サイレンが響くウクライナで「すやすや眠る」赤ちゃんの映像に広がる衝撃と悲しみ
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月8日 15時9分
「ドイツで育った私たちは、安全上の問題から外で遊ぶことができなかった。いろいろな警報が鳴っていたのを覚えている。幸い、私の子供が知っているのは気象警報やアンバーアラート(児童誘拐事件が発生したときに発令される警報)だけだ。世界全体でこのようなことがすべて遠い記憶になることを祈っている」
本誌は、トラウマの影響を受けた子供たちが直面するメンタルヘルスの問題に取り組んできた心理療法士に話を聞いた。
アンカバー・メンタルヘルス・カウンセリングの創設者クリスティー・チェによれば、戦争の心理的影響は「私たちが十分に理解していない形で」子供たちに深刻なインパクトを与えるという。
チェは話題になった動画について「ウクライナで空襲の中で赤ん坊が眠っている姿は、混乱のさなかにある子供の無邪気さを鮮烈に物語っている」と本誌に語った。
チェによれば、子供たちはそれぞれ自分の体験を異なる方法で処理しており、すぐに立ち直る子供もいれば静かに苦しむ子供もいるという。
トラウマを抱えた子供たちを支援するには、彼らが自分の気持ちを表現できる場を与え、自分の気持ちを聞いてもらい、支えられていると感じられるようにすることが「不可欠」だ、とチェは述べている。
「このようなとき私たちは彼らに癒やしの道を用意し、混乱のさなかにあった子供時代を取り戻してもらうことができる」とチェは本誌に語る。
投稿者は動画への「温かい」反応に驚いたようだ。「これほど多くの優しい言葉をかけてもらえるとは思っていなかった。私の家族、特に小さなローマンの幸運を祈るダイレクトメッセージを書いてくれた人もいる」と本誌に語っている。
投稿ページの一番上には、次のような侘しいコメントが掲載されていた。
「今ではもう私も空襲警報の音が聞こえたとき、あなたの息子と同じ状態だよ」。これに対して投稿者は次のように述べている。「彼は悪くない。ロシア人たちが何をやっているか監視するより、良い昼寝をした方がいいに決まっている」
(翻訳:ガリレオ)
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