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日本人が知らない「現実」...インバウンド客「二重価格」を議論してる場合じゃない

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月9日 16時30分

それが今、日本で二重価格が検討されているとはなんとも皮肉なことだ。

「日本は物価が安いと聞いて来たのに、意外と高いんだな」

ただ、日本人にとって二重価格は沽券(こけん)に関わる手法なのかもしれない。というのも、私の印象では今のところ、日本人が経営する飲食店やホテル、レジャー施設で堂々と導入しているところはほとんどないからだ。導入していたとしても、あまり目立たない価格設定にしていると思う。

しかし、この流れはもう止まらないだろう。そのうち訪日する外国人も「物価が安いと聞いて来たのに、意外と高いんだな」といった印象を抱くようになるかもしれない。であればもうプライドなど捨てて、自治体も日本人オーナーも堂々と二重価格を導入すればいい。かつて二重価格のあった途上国・中国から来た私としては、いささか複雑な気持ちではあるけれど。

日本のサービスや料理の質は、今も昔も素晴らしい。本物のおもてなしを今後も維持してさえいれば、たとえ少々高くとも外国人は文句なしに感動するはずだ。「安くて質が良い」ではなく「高いけれど質が良い」ほうにプライドのベクトルを向けていく。そうすればきっと、日本の観光業にも輝かしい未来が待っている。

周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院を修了。通訳、翻訳、コーディネーターの派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレントとしても活動している。




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